===============
来年度の保育政策の予算概要から見える方向性
===============
9月4日に、 2026年1月から8月における保育所の倒産件数についてのニュ ースがありました。
【「保育園」の倒産・廃業、3年連続で最多更新へ
保育所不足から一転、地方の園で消滅相次ぐ」】
この記事をご確認いただくと、
昨年度に引き続き、過去最高のペースで
保育所の倒産件数が増えていることがわかります。
一方で待機児童が増加したという報道も同じ時期に出ています。
上記の二つの記事をまとめると、
保育所の倒産件数は地方が多くなってきており、
待機児童は都心部が多くなってきています。
特に都心部は第一子の0歳児から2歳児の無償化が影響し、
東京都は爆発的に待機児童が増加しています。
この9月からは大阪市でも
第一子の0歳児から2歳児の無償化をスタートし、
待機児童の増加が予想されることから、
1歳児枠の拡充のための政策を進めています。
地方と都心部で保育政策の流れが大きく異なってきています。
このような状況の中で、9月4日にこども家庭庁から
保育関係予算概要要求が発表されました。
これからの保育政策について、
どのような方向性で進んでいくのかを確認する上で、
良い機会になりますので、ぜひ一度ご確認ください。
特にこういった資料について、
どのように見ればよいかわからない、
ということをお伺いすることがありますが、
基本的に重要となるものは
「拡充」「新規」となっているものです。
今までと同じ内容のものは上記の文言が入っていないため、
一旦は飛ばし読みでよいと思います。
さて、拡充、新規となっているものを確認すると、
以下のような内容が当てはまります。
<新規>
・豊かな遊びと体験の推進
・安全、性被害防止対策
・新しい保育所保育指針等の実施に向けた準備
・ICT化、業務のデジタル化
・人口減少地域における保育施設の在り方の検討
<拡充>
・保育人材の確保、支援の強化
・施設整備、受け皿の確保
・多様なニーズや特別な配慮への支援
・質の向上や安全性確保、データベース改修
すべての内容を解説していくとかなり長くなってしまいますので、
内容を絞ってピックアップしてご紹介します。
・安全、性被害防止対策
こども性暴力防止法が12月25日からスタートしていきます。
おそらく多くの園でこの法律に対しての対策や、
検討を始めている頃なのではないかと思います。
まだ何も進めていないという方は、
ぜひ8月25日のメルマガをご覧ください。
以下からもご確認いただけます。
こども性暴力防止法がスタートすることで、
園内での性被害防止のための設備や備品についての
補助が新たにできる予定になっています。
こども性暴力防止法において
「支配性・継続性・閉鎖性」はとても重要なキーワードで、
これらを防ぐ設備や備品の準備というのは
今後発生する可能性があります。
もし何か準備を進めていく予定がある場合は、
自治体にもヒアリングを行い、
補助の対象となるタイミングで用意するとよいかもしれません。
・ICT化、業務のデジタル化
保活ワンポータルがスタートしました。
また、施設型給付の皆様を中心に対応しているここdeサーチなど 、
DXを進めるための内容がこの1年~2年で大きく進んでいます。
今の段階では”先生方の負担がただただ増えている”
という印象しかなく、私自身もかなり疑問を持っていますが、
今後、現在はバラバラなシステム関係が改良され、
きっと一元化していく方向なのだと思います。
いずれにしても、このDXの流れは今回の予算を確認しても
続いていきますので、システムに対して慣れていくことも重要にな っています。
また、これらシステムに対応をしていかないと、
加算が取得できない、または施設型給付費自体を減額する
などのことが発生する可能性もあります。
システム関係での苦戦や事務的な負担など、
かなり多く耳にするようになりました。
もし何かお困りのことがありましたら、
ぜひ一度GCLIPまでお問い合わせください。
・人口減少地域における保育施設の在り方の検討
人口減少地域の就学前教育保育施設の在り方として、
就学前教育保育施設の閉鎖は地域全体の子育て支援に
大きな影響を与えると予想されることから、
地域ニーズに合った多機能化をし、様々な役割を担う施設について
支援していくという方向性が打ち出されています。
前述の通り、人口減少地域については
保育所の倒産も進んでいることから、
地域の子育て支援に影響が生じる場合が出てきます。
人口減少地域においては、
自治体と協力し、地域に密着した園運営が求められてきます。
制度を上手に活かしながら、自治体と協議し、
地域における子育て支援の拠点としての役割を担っていく
ということが国が示す方向性になっています。
・多様なニーズや特別な配慮への支援
「外国籍等家庭のこどもが30%以上在籍する保育所等であって、
地域の未就園の外国籍等子育て家庭への相談支援等を行う場合に、
当該保育所等において「外国籍等子育て家庭に対する
支援を適切に実施できる職員」の加配を行う。」
という内容が新たに追加されました。
条件はあるものの、人口減少地域のみならず、
都心部でも外国籍等家庭の受け入れについては
進んでいる地域があります。
今後、このあたりの多様なニーズに対応した拡充については
進んでいく可能性が高まっていると同時に、
上記内容に該当する場合は、 自治体と協議を進めるとよいかと思います。
上記内容については一部のピックアップになりますが、
子育て政策は地域によってかなり違いがあります。
しかしながら、国が示している予算については
自治体が進めるという方向になる必要があります。
だからこそ、予算の中に含まれている内容を把握し、
自治体との協議を進めていくことが重要です。
地域における「課題解決」と「価値創出」が
長い目で見ると園児募集や採用にも繋がっていきます。
ぜひ一度目を通していただければと思います。
また、GCLIPでは10月22日に毎年恒例の
「施設型給付制度攻略セミナー」を開催します。
このセミナーの中では施設型給付制度についての解説はもちろん、
応用編では新しい加算や制度の動きなども解説を行っていきます。
ぜひ制度や今後の方向性について知りたいという方は
ご参加いただけますと幸いです。
