DIARY

日本版DBS「こども性暴力防止法」への対応ポイント

===============
日本版DBS「こども性暴力防止法」への
対応ポイント
===============

【本文のポイント】
・日本版DBS「こども性暴力防止法」が施行される
・「こども性暴力防止法」において対応すべき事項は主に4種類
・準備すべき書類のひな形などをご紹介
 

2026年12月25日から
日本版DBS「こども性暴力防止法」が施行されます。

自治体から整備をするように
勧告されていることもあり、
対応に難しさを感じている方も
多いのではないでしょうか。

現段階では、年1回こども家庭庁に対する
定期報告を行う必要があり、
指導監査において
取り組み状況の確認が行われる予定です。

もし、期日までに対応が間に合わなかった場合、
以下のような措置が検討されています。
・違反事業者の公表
・報告徴収
・是正命令
・認可の取消し
・刑罰(禁固刑・罰金刑)

法律としての対応になるため、
従わない事業者には非常に厳格な処罰が
検討されていることが分かります。

ここからは、
こども家庭庁に掲載されている
「事業者向けチェックリスト
(こども性暴力防止法の施行までに必要な対応)」を
参考に対応事項の解説を行っていきます。

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/80127231-8582-476e-a6e7-9347e725ed96/7b0936d2/20260422_policies_child-safety_efforts_koseibouhou_50.pdf

対応すべき事項としては、
大まかには4種類あり、
それぞれ具体的に行うべきことが
定められています。

①制度についての従事者への周知
②犯罪事実確認・防止措置関係

 ・不適切な⾏為の範囲の検討‧確定
 ・対象業務従事者の範囲の検討‧確定
 ・就業規則等の⾒直し(※不適切な⾏為の範囲、懲戒事由等)
 ・採⽤募集要項等の⾒直し、採⽤過程での性犯罪前科の事前確認
③安全確保措置の実施のための体制整備
 ・性暴⼒事案の疑い発⽣時の報告‧対応ルール策定‧周知
 ・相談体制整備(相談窓⼝設置‧周知等)
 ・従事者向け研修の計画策定‧実施
④情報管理措置


上記の4種類の中でも、
具体的に行うべきことが分かりにくい①、②、④について
解説していきます。

①での必要対応事項について、
法律の施行前の現段階では、
研修の受講が義務付けられています。

また、施行後は専用システムを通じた
性犯罪前科の確認が求められます。

現段階ではまだシステムの全容は
明かされていないですが、
マイナンバーカードの提出が求められますので、
職員の方々、特に外国人講師の先生方には
あらかじめ確認を行っておくことが
望ましいでしょう。

また、法の施行時点で休職している教員等についても
施行時点で育児休業等を取得している対象業務従事者も
施行時現職者となりますので、
定められている時期に犯罪事実確認を行うこととなります。

②での必要対応事項については、
主に4つあります。

(1)「不適切な行為」を定め、就業規則に定め、
従事者・こども・保護者に周知する

例としては、
・こどもとSNS上で私的なやり取りを行う
・私的な端末で、こどもの写真を業務外の目的で撮影する
・こどもと二人きりで私的に会う
・不必要な身体接触(おむつの中に手を入れて排せつを確認するなど)を行う
・特定のこどもばかり理由なく担当しようとする など
などです。


なお、上記の例が不適切か否かは事業者判断となり、
外形的にこれらに当てはまる行為を
必要な業務として行う場合には、
事前にルールを定めれば問題ないとされています。

例えば、「私的な端末でこどもの写真を業務外の目的で撮影する」行為は
共用の端末がない場合は避けられない可能性がありますが、
そういった場合は事前に就業規則や周知文章に
「園外に持ち出さない」
「すぐに園管理のPCにデータを移すなどの対応を行う」などの
記載を行うことが必要です。

しかし、事前にこれだけ厳重な通告がされていることからも、
施行後は世の中の注目度が上がる可能性があります。
保護者の方からも厳しい目が向けられることも考えられると共に、
やはり個人の端末を園で管理していくことには限界があることから
できる限り個人端末ではなく、園として端末の用意を検討し
写真の取り扱いについて注意をしていくことをおすすめします。

また、園として定めた不適切な行為は
子ども・保護者に対して
入園時に配る書類で周知することが
望ましいとされていますので
現段階から準備しておきましょう。

(2)対象事業者の確定、周知
法律の対象者を定め、
園内に周知する必要があります。
教員は全員対象者になりますが、
直接子どもと接しない事務職員や
バスの添乗員さんなどにおいては
「支配性・継続性・閉鎖性」の要件を
満たしている場合対象となります。

注意すべきは、教育実習生などの短期での従事者や
外部講師の取り扱いです。

上記3要件を満たす場合は
労働時間の長短に関わらず対象になりますが、
例えば実習生などは
基本的には別の教員が見守るケースが多いので、
対象者には当たらないと考えられます。

また、外部講師について、
正課で活動を行っている場合かつ
要件を満たしている場合は、
園側で専用システムによる確認を行うことが必要です。

正課終了後の課外教室など
園の教室を貸す形で外部講師が入っている場合は、
外部講師が所属する事業所での確認になります。

(3)採用募集要項の見直し
求人票や内定通知書などを用いて、
採用過程で性犯罪歴が無いことを書面等で確認する旨や
内定取消事由を予め通知しておきましょう。
例えば、以下の図は
求人票の参考例として示されているものです。
以下の色付けされている部分のような
特記事項の欄を設けて
「犯罪事実確認があること」
「特定性犯罪がある場合は採用できないこと」
「採用選考過程で確認があること」
などを記載することがおすすめです。
 


(4)不適切な行動があった場合の対応ルールの策定、周知
以下の3つの準備が求められますが、
すべてこども家庭庁内HPにひな形が掲載されています。
対応フローの策定 
事業者内における相談員の選任又は相談窓口の設置・周知
児童対象性暴力等に係る外部相談窓口の周知

対応フローや周知文章の中に記載する
こどもから性暴力について打ち明けられた場合の対応について、
こども家庭庁では業務用端末で録音することを推奨しています。
また、録音が難しい場合でも、
子どもや聴き取りを行った人が何と言ったか、
使った表現や言葉をそのまま記録に残すことを推奨しています。

④での対応事項について規定は3種類あり、
園の状況に合わせて対応を行います。


ひな型①:責任者一人のみが、
専用システム上のみで犯罪事実確認書を確認し、
それ以外では記録・保存等を行わない場合
ひな型②:責任者を含む複数名が、
専用システム上のみで犯罪事実確認書を確認し、
それ以外では記録・保存等を行わない場合
ひな型③:責任者を含む複数名が、
犯罪事実確認記録等を通じて、
従事者の犯歴情報を確認し、
専用システム以外にも記録・保存等を行う場合

以下がひな形①のイメージになります。

画像内の●になっている部分や
園の実態に合わない部分を
修正していただく形になります。
 

それぞれ、こども家庭庁内HPに
ひな形が掲載されていますのでご確認ください。

なお、準備する書類のひな形は以下のリンクでまとまっています。
ひな形一覧
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/efforts/koseibouhou/hinagata

法施行前の研修は以下のリンクからご確認ください。
研修動画
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/efforts/koseibouhou/jujisya

申請書類が多いだけでなく、
園児募集や採用でも動きがあり忙しい時期ですが、
冒頭でも述べた通り 施行の際に準備が不足している場合は
厳重な罰則を受ける可能性が考えられます。

夏休み中に先生方に研修を受講してもらったり
周知文書を作成したりする時間を十分に取れなかったという方は
2学期中に準備する必要があります。

施行後のシステムの全容など未確定な部分も多いことから、
しっかりと情報をキャッチするとともに、
滞りなく対応できるように早め早めの準備を進めていきましょう。