・人事院勧告分の金額の計算方法
・去年度の人事院勧告分の扱い方
・様式変更により一時金の支給額を減らせる可能性がある
令和7年度から変更のあった処遇改善等加算一本化後初の
実績報告の時期が近づいてきました。
一本化により各区分の名称の変更や配分ルールの変更がありました
それに加えて実績報告書の様式自体も大きく変わっています。
皆様の中には、処遇改善等加算の実績報告の作成に関して、
下記のような不安がある方が、
・ 配分した処遇改善を正しく記載できているか分からない…
・ 人事院勧告分を配分仕切れているか不安!
・ そもそも人事院勧告分の額が把握できていない。
今回は処遇改善等加算の実績報告書作成にあたって、
無駄な損失を出さないための4つの注意点をお伝えいたします。
①人事院勧告分の率=人件費の上昇率ではない!
人事院勧告分は率で示され、令和7年度は5.3%
しかし、この5.3%の元となる100%は
その園の職員の年収の5.3%ではなく、
国が保育士等の人件費に出す補助金にかける予算です。
つまり5.3%を単純に各職員の年収にかけて配分額を決定する
ということではないということです。
実際の計算方法は、
処遇改善等加算の区分1の加算額を元に下記のような計算を行いま
「区分1の加算額÷区分1の加算率✕5.3%✕0.9」
上記のような計算になるため、
実際に人事院勧告分として支給される金額は、
「職員の人件費の実態」とは
外れた金額になる可能性が高いです。
実際どのくらい違うのかを具体例で計算した結果が下記になります
令和6年度の人件費が97,000,
正しい計算では、上記の計算方法で算出した
令和7年度の人事院勧告分である「4,742,000円」
一方で、間違った計算で総人件費の5.3%を配分してしまうと、
「5,141,000円」を配分してしまうことになります。
このように、間違った計算では、
39万円の余計な人件費支出になってしまう可能性があります。
我々が計算した中で、多い園では「280万円」もの差が出る場合
特に自治体独自の補助金を支給して、人件費が既に高い地域では、
このミスによる損失も大きくなりやすい傾向にあります。
これから人事院勧告分に対応する一時金を配分する予定の方は、
単純に職員の年収を5.3%
②人事院勧告分は累積していく
次に、今回の人事院勧告分対応で気をつけるべき点として、
人事院勧告分は「その年度に払っても次年度も対応が必要」
という特徴があります。
よくある間違いとして、
令和7年度は令和7年度の人事院勧告分を一時金で払い、
令和8年度は令和8年度の人事院勧告分だけを一時金で払えばよい
という誤解をされている方がいらっしゃいます。
しかし正しくは、令和7年度に一時金で対応した人事院勧告分は、
令和8年度以降も基本給や手当に配分して賃金水準を維持する必要
その上で、令和8年度の一時金等での支払いの対応が発生します。
この令和8年度における令和7年度の人事院勧告分の維持をきちん
令和9年度や令和10年度になってから、
「令和7年度の人事院勧告分をきちんと払っていません」
という指摘を自治体から受けてしまう可能性があります。
その場合、令和7年度分の維持・
園の規模によっては1,000万円単位での追加配分が必要になっ
実績報告書の作成にあたっては、
令和7年度の人事院勧告分が令和8年度以降も継続する前提で、
園の給与設定が正しいかを今一度ご確認下さい。
③人事院勧告分を配分することによって赤字にならないように注意
今年度の様式変更により、新たに追加された要素として、
「特別な事情に係る届出書」という書類があります。
この書類は、処遇改善等加算の条件である、
「処遇改善等加算以外の賃金水準を下げない」という条件を、
維持できない時に提出する届出書になります。
国が示している、実績報告書の様式の中にある、
「特別な事情に係る届出書」は下記のような書類です。
主に、
赤字になってしまう場合に、
今まで出していた手当や賞与を支給せず、
その代わりに処遇改善等加算の配分を充てる際に、
使用するものです。
こちらも具体例を挙げて説明いたします。
例えば、年間で基本給の3倍の賞与を毎年支給していた園で考えま
新たに、人事院勧告分対応のために
1人あたり40万円の一時金支給が必要になった場合、
基本給20万円の方にこの対応をしようとすると、
賞与60万円(20✕3倍)+一時金40万円=
一方で、届出書の提出により、
「基本給の1倍に賞与の水準を下げる」という届け出を行うと、
賞与60万円のうち、20万円を賞与、
職員への追加の一時金支給なく、人事院勧告分に対応できたことに

上記のやり方のように、届出書という
赤字の施設に対して、
自治体から指示された通りに支出するのではなく、
自園の人事院勧告分を計算して、
追加の一時金支出が妥当かご検討いただければと思います。
④施設独自の改善額欄を有効活用する
最後に今年度から処遇改善等加算の実績報告に新しくできた、
「施設独自の改善額」を上手く活用できないかをご検討ください。
本来、「施設独自の改善額」とは、
令和6年度に、処遇改善等加算での賃金改善以上に、
施設が持ち出しで改善をしていた場合に使用する欄です。
下記の赤枠の部分が、
実際の実績報告書の該当する「施設独自の改善額」の入力欄です。

解釈の幅が広く、
例えば令和5年度で処遇改善等加算で求められていた改善より
多く改善した賃金改善があればその額も記載できる可能性がありま
また、処遇改善等加算の適応を受けた(施設型給付に移行した)初
職員の給料を高くするために、既に支給していた手当や賞与は、
処遇改善等加算を超えた賃金改善と捉えられる可能性があります。
こちらも、具体例で説明いたします。
令和6年度に、年収460万円
(基本給240万円、業務手当120万円、賞与100万円)
の職員に、
100万円の処遇改善手当による賃金改善をし、
令和7年度年収560万円になった場合で考えます。
「施設独自の改善額」を使わない場合は、
処遇改善手当のみが、賃金改善として認められるため、
賃金改善額は100万円になります。
一方で、業務手当120万円を「施設独自の改善額」とした場合、
令和6年度の業務手当は、
令和6年度の賃金水準の中から除外できるようになります。
その結果、
令和7年度の賃金改善額は、
業務手当と処遇改善手当の合わせて220万円を
賃金改善にすることが可能になります。

このように、本来100万円の賃金改善のみで、
実績報告書上は220万円の改善として計上することができるため
追加での配分額を大幅に抑えることにつながります。
最終的にどの範囲まで、「施設独自の改善」に含められるかは、
自治体との協議が必要になる点だけはご留意下さい。
ただ令和7年度の賃金改善額を
新しい一時金の支給をしないまま増やせる可能性があるため、
自園が持ち出しで支給してきた手当や賞与のうち、
職員の給与を上げるために
自助努力で支給しているものがないか再考いただき、
理由付けができる範囲で、
「施設独自の改善」に記入できるかを
検討いただくことをおすすめいたします。
以上のように、
人事院勧告分や一本化による様式変更への理解度の違いで、
同じ給与支給をしている場合でも、
追加での配分が必要な金額が大きく変わってしまう可能性があるこ
ご理解いただけたかと思います。
特に、様式変更初年度である今年度で、
過剰な改善が必要な書き方をしてしまった場合、
今後、数年間にわたってその過剰分を抱えたまま、
新たな人事院勧告分に対応していく必要が出てくる可能性もありま
弊社では、そんな不利な状況を生まないための、
実績報告書の作成をサポートさせていただく、
事務の黒衣サービスという
公定価格の事務業務に
特化したサポートサービスを提供しております。
プランは2種類ご用意しております。
・毎月の請求サポート+処遇改善サポートプラン 年額660,000円
・処遇改善サポートプラン 年額440,000円
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