DIARY

【生活者1万人アンケートから見える変化】

<本文のポイント>
・アフターコロナで消費者は大きく変化した
・ワークライフバランスはライフ側へシフトしている
・安くて経済的なものではなく、
 価格と価値が見合っているかが重要になる傾向が強まっている
・インターネット利用率が大きく増加
 
 
<本文>
野村総合研究所は3年に一度のペースで、
生活者1万人アンケートを実施しています。
 
1997年から調査を行っており、
今回2021年の調査がまとまり公表されています。
 
約25年間の日本の消費傾向の変化や、
思考の変化を読み取ることができ、
とても面白い調査です。
 
 
今回のメルマガではその中から三つをピックアップし、
ご紹介させていただきます。
 
 
①仕事?それとも生活?
 
以下のグラフをご覧ください。
image.png
 
上記の図はワークライフバランスについての調査です。
 
この図を確認すると2021年では
ワークライフバランスではなく、
ワーク<ライフという傾向があるということが読み取れます。
 
「会社・仕事のことよりも、自分・家庭のことを優先したい」
という回答者は増加傾向にあり、2000年の66%から79%まで増加しています。
また、「例え収入が少なくなっても勤務時間が短い方が良い」
という回答者も増加傾向にあり、2000年の38%から46%まで増加しています。
 
上記の結果は仕事の時間よりも自分の時間を大切にしたい
という回答者が増加しているということを表しています。
 
逆に「自分の仕事の目的は会社を発展させることである」
「出来れば独立して事業を起こしたい」
という回答者は減少傾向になっています。
 
会社への帰属意識の変化や仕事に対してのモチベーションが
大きく変化してきているということがわかります。
 
こういった背景の中、自分の能力や専門性を高めることで社会的に認められたい」
という項目は長年大きな変化はなく、
仕事への価値観としてベースになっている価値観だということがわかります。
 
 
仕事よりも生活を大切にし、
仕事についても、職場を発展させるという視点よりも、
自分の能力を高めることを優先していきたい
という結果になっています。
 
まとめると
ワーク<ライフ、職場<自分
というようなイメージになるかと思います。
 
マネジメントをしていくにあたり、
従業員のライフを大切にしていく
という視点はより重要になりそうです。
 
 
②安さ、それとも品質?
 
以下のグラフをご覧ください。
image.png
 
上記は消費の傾向として、
・とにかく安くて経済的なものを買う
・価格が品質に見合っているかをよく検討してからものを買う
という二つの視点からアンケートを取った結果です。
 
2000年にはほぼ拮抗していた数字も、
徐々に差が生まれ、現在では大きく数字が離れています。
 
価格が品質に見合っているかをよく検討してから物を買う
という生活者が圧倒的に増え、コロナを経験してからさらに増加ています。
 
11月8日のメルマガでもお伝えさせていただきましたが、
近年はイミ消費が拡がっています。
 
ただ安い、ということではなく、その商品機能はもちろんのこと
その商品の背景や社会に対する意味、存在価値など、
様々な視点を通して価格と見合っているか
ということが重要になってきています。
 
コロナを経験し、その傾向はさらに強まっていますので、
もう一度自園の地域での役割や責任、その志の発信
力をいれていただけますと幸いです。
 
 
③インターネットの利用時間激増
 
以下の図は各年代の1日あたりのインターネットの利用時間を調査したものです。
単位は分です。
image.png
 
上記の図は2009年から2021年の変化を表したものです。
どの年代でもインターネットの利用時間が伸びていることがわかりますが、
特に注目したいことは、2009年の10代、20代と、
2021年の60代のインターネット利用時間はほぼ同じということです。
 
このデータから高齢であったとしても
インターネットを活用しているということがわかります。
 
またこの調査結果を確認すると10代から20代については、
なんと4時間以上もインターネットを利用している
ということがわかります。
 
先ほど、価格と品質が見合っているものを購入する
という傾向が強まっていることをご紹介しましたが、
インターネットの発達はその傾向を強めた大きな要因であると考えられます。
 
インターネット上は情報も多様化しており、
様々な視点で情報を入手することができます。
 
その結果、その商品が本当に自分が欲しいものなのかを
よく吟味することができるようになりました。
 
逆を言えば、インターネットでの情報発信は
年々重要性を増しているということです。
 
改めてホームページ、SNS、その他インターネット上の媒体において、
発信の強化はもちろん、発信内容にこだわること
意識していただければと思います。
 
 
今回ご紹介させていただいた野村総合研究所の
「生活者1万人アンケート」の中には、
結婚に対する意識の調査などもあり、
2021年の調査では「できれば結婚をしたほうが良い」
という価値観が減少傾向にあるということが分かっています。
 
今後の日本の方向性を知る上でも重要なデータですので、
ぜひ一度ご覧になっていただければと思います。
 
<野村総合研究所 生活者1万人アンケート>