DIARY

【 メルマガ0427 】

【 昭和の名曲に学ぶ人生の課題を乗り越える術 】Posted by Shidara

 

時の経過は実に早いもので、
ついこの前始まったはずの4月も既に終盤となりました。

本当に耳を疑ってしまうのですが、
4月に就職したばかりの新人職員が、
既に退職したという話を耳にします。
しかも、1度や2度ではありません。
若者人口の減少に加え制度移行などにより
採用数が年々増加する幼稚園における
この手の退職話を耳にする度に、
如何ともし難い感情がこみ上げます。

4月のかなり早い段階で退職に踏み切る
背景にある思考が何かは分かりかねますが、
“リアリティショック”が、
大きく影響しているのではないか
と思います。

“リアリティショック”とはシンプルに、
“就職前の理想”と“就職後の現実”との
ギャップを消化しきれずに悩みを抱えること、
理想と現実とのミスマッチで起こる問題を指す言葉です。
つまり、思い描いていた仕事(職場)ではなかった…
ということになるのでしょう。

まだ見ぬ未来の仕事に対し、
夢や希望を膨らませ胸を躍らせることに異論はありません。
むしろ、とても素晴らしいことだと思います。
ただ、夢や希望といった類の
自分の中に醸成される、未来に描く“理想”というのは、
あくまでイメージの一面でしかないという“現実”
も、

一方で受入れないとバランスが取れず、
結果的にリアリティショックを招き、
就職後間もない退職という結果を招く一因になっているようです。

リアリティショックが背景にある退職は、
結果的に退職者本人はもとより、
企業側にとっても負の遺産になってしまいます。

それでも前向きに捉えるなら、
影響の少ない早い時期の退職でよかった…、
とも考えられますが、
採用経費や離職率、養成校へのアプローチなどの
採用にかかる全てのコストを考えると、
やはり、マイナスは少なくないわけです。

Gクリップでは、
退職や転職の際は、職場の仲間や周囲の方に
応援されるようなポジティブな理由でない場合は、
往々にして、解決すべき、或いは、
乗り越えるべき自身の課題が残っているケースが多いため、
それを解決する選択をした方が結果的に自分のためになる、

というスタンスをとっています。

ミュージックバンド、米米CLUBが
1990年にリリースした名曲「浪漫飛行」の詞の中に
次のようなフレーズがあります

♪そこから逃げ出すことは
 誰にでもできることさ
 諦めという名の傘じゃ雨はしのげない♪

誰にでもできる“逃げる”という
選択が与える“諦め”という名の傘(防具)では、
人生の荒波を乗り越えることはできないよ

と、バブル経済に浮く日本社会への
警笛だったのではないかと、考えています。

ときは2021年へと進み、
元号も令和に変わり3年目に入りました。
一時より落ち着きましたが、
高値のまま推移する初任給に賃料補助、各種加算など
幼保業界の労働市場は未だバブル状態にあります。

収入が増え、待遇が良くなることは
働き手にとってはとても有り難いことの筈です。
“有難み”が“当たり前”になると、
バランスを欠きリアリティショックが起こります。

まず、職員の皆さんにとって
自園が必ず成長できる場であること、
そして、職員の皆さんにとって、
成長できる場が必要であること、
そのうえで、
成長意欲を満たし、惜しみない支援をしている、
ということを伝えてあげて下さい。

若手の先生方には何度でも、丁寧に、分かり易く、
次の話を添えて伝えてあげて下さい。

諦めという名の傘では雨はしのげない、
という、現実への対処方法を雨をしのぐ術を、
いま学んでいるということを。

是非、素敵な人材育成を実現してください。