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映画のプロモーション戦略に学ぶ、自園の採用目標から逆算する仕組みづくり

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映画のプロモーション戦略に学ぶ、
自園の採用目標から逆算する仕組みづくり
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<本文のポイント>
・スターウォーズシリーズ新作「マンダロリアン&グローグー」が大ヒット
・「マンダロリアン&グローグー」が日本で特にヒットしているワケ
・採用も狙いを定めて逆算して動くことが重要

 

5月22日に公開されたスターウォーズの新作映画
「マンダロリアン&グローグー」が
日本国内で興行収入30億円を突破し、
3週連続で興行収入ランキング首位を獲得するなど、
大ヒットを記録しています。

本作は、帝国が崩壊し、無法地帯と化した銀河を舞台に
凄腕の賞金稼ぎマンダロリアンと
フォースを秘めた孤児グローグーの旅を描いています。

この作品は定額制動画配信サービス「Disney+」で配信されている
スターウォーズのスピンオフドラマの劇場版です。
映画シリーズのファンであることに加え、
配信サービスに登録しこのドラマを視聴している人、
つまりかなり熱烈なファンでないと足を運ぶ可能性がないという
不利な条件での公開でした。
しかし、SNSでの反響を見てみると、
スターウォーズを見たことがない新規層が
積極的に劇場に足を運んでいる様子があります。

その理由の一つは、
スターウォーズジャパンのプロモーション戦略にあります。

スターウォーズジャパンは
「グローグーの可愛さ」に絞ったプロモーションで
新規参入を容易にしているのです。

スターウォーズは各国で独自の広報アカウントを持っており、
それぞれが異なる投稿で広報を行っています。

日本、アメリカ同時公開日である5月22日の投稿には、
本国であるアメリカのInstagramでは、
以下の2本の動画が投稿されています。
・往年のスターウォーズファンたちが映画の良さを語るインタビュー動画
・脚本、監督が自身のスターウォーズシリーズへの
 思い入れとこれまでのシリーズ との関連を語る動画

一方でスターウォーズジャパンの投稿を見てみると、
見守りカメラでグローグーがつまみ食いする様子をおさめた動画
投稿されていました。
さらに、興行収入が10億円を突破したタイミングで
ますますこの方向でのプッシュを強化し、
映画本筋とは全く関係ない動画を投稿しています。
※参考動画①グローグーが日本のご飯を食べるだけの動画
 参考動画②迷子のお知らせで呼ばれる動画
 参考動画③グローグーの目線で一日を過ごす動画

日米でプロモーションの方向性が異なる要因の一つは、
それぞれの国でのディズニーパークにあると考えられます。

アメリカでは、国内の2つのパークで
本作との大規模なコラボイベントが行われているのに対し、
東京ディズニーリゾートで行われたのは
3種類のコラボグッズ販売、
既存アトラクションでのわずかな仕様変更にとどまりました。

運営元のオリエンタルランドのIR資料からは、
以下の2つの理由が読み取れます。

要因①中長期的な投資計画
オリエンタルランドは
2025年4月に発表した「2035長期経営戦略」にて、
直近では2027年までに1,000億円規模の再開発を行っているほか、
2028年には約3,300億円を投じるクルーズ事業が控えていると公表しています。

これを踏まえると、
数か月で撤去する必要がある映画タイアップに向けての資金や、
スタッフのオペレーションへの
投資を見送ったと考えられます。

要因②狙うターゲット層との乖離
映画公開時、ディズニーランド、ディズニーシーともに、
イベントを開催していました。
ディズニーシーは周年イベントでファンの来園機会増加を狙えるだけでなく、
ディズニーランドのイベントは
2027年春開業予定の新アトラクションに登場するキャラクターと関連しており、
需要を事前に温める「プレ・マーケティング」としての位置づけも持つ、
戦略的に重要なイベントですので注力する必要があります。

以下が2つのイベントのコンセプトアートです。
おしゃれさ・かわいらしさが前面に出ており、
ファミリーや若い女性の集客を狙っている印象を受けます。

力を入れたいイベントが控えている中、
スターウォーズシリーズという
SF的世界観を持ち込むと
ターゲットがぶれてしまうため、
需要の分散を避けたと推察されます。

さて、話を戻しますが、
これらを踏まえてスターウォーズジャパンのプロモーションが
独特の方向性を取っていた理由を考えると、
グッズ販売、パークへの来場者獲得などの
パーク関連事業での回収が見込めなかったからだと推察されます。

コアファンの需要喚起ではなく、
「映画単体での興行収入増」「配信サービスの登録者増」
という2点に目標を絞り、
新規獲得に振り切ったプロモーションを行ったのです。

オリエンタルランド、ウォルト・ディズニー・カンパニーの
経営戦略を踏まえると、
狙いを定め、逆算して考えることの重要性を感じます。

採用を例にとり、
狙いの定め方、逆算して検討すべき事項を
考えてみましょう。

採用において、逆算すべき事項は2点あります。
①目標採用人数に対しての最低接触人数
②イベントに対しての動き出しの時期

①目標採用人数に対しての最低接触人数
目標採用人数をなんとなく、もしくは現場の声を基に決めている、
という方もいらっしゃるかと思いますが、
職員の人数や配置によって取得できる加算が大きく変わります。
自園が取得できる加算額の最大限を獲得できる人数を採用し、
その人数で現場が回せるように職員を育成することが求められます。

また、目標採用人数を根拠をもって定めている、という園さまにおいても、
目標採用人数のために接触しなければいけない人数や時期まで
逆算して計算できていますか?

接触時期や経路を学生の名簿とともに手元で管理するおくことで、
自園の採用の法則が見えてきます。

例えば、ある年はフェアで接触した学生の数が7名、
実習で接触した学生の数が4名、
HPに直接問い合わせがあった学生が2名、
合計13名の学生と接触したうち、
採用できた学生が3名だったとしたら、
次年度もし3名の採用を目標にする場合、
少なくとも13名の学生と接触しなければ採用は難しいと考えるのが自然です。

このように、名簿で管理することで自園の採用の傾向が見え、
目標採用人数から接触すべき学生数を逆算することができます。

②イベントに対しての動き出しの時期
マイナビ保育学生の調査によると、
園見学に参加した時期は
2025年の8月と回答した人が多く、
次点で2025年7月という結果でした。

つまり、喫緊でやるべきことは
園見学の準備となります。

例えば、以下の準備はできているか確認する必要があります。

・養成校へのアピール
・園HPから園見学に誘導する導線の整備
・自園Instagramでの情報発信
・園見学時に渡す資料の整理
・見学時の園内オペレーションの見直し

見学した中で受験した園は1園だったと回答した学生が最も多く、
園見学をしたのに受験しなかった理由の中では、
「第一希望の事業者に内定が決まった」
「見学した園の志望度がさがった」
という回答が上位となりました。

つまり園見学をする段階で一定志望度が高く、
受験可能性があるため、
ここで志望度を下げない工夫が求められます。

具体的には、
先輩の声やキャリア支援の体制など
就職を決めやすい情報をリクルート専用の冊子にまとめて配布したり、
園全体で歓迎する雰囲気が出ているか、
対応の手順に学生の志望度が下がるポイントがないかを
見直したりなどがあげられます。

検討すべき事項はすべて、
逆算することで見えてきます。

まだ今年度の採用活動は始まったばかりですので、
業界動向、求職者の動き、学生の動きを踏まえて
今後の活動を見直していただければと思います。