DIARY

【 イレギュラーと向き合う 】

今年の園児募集から見るコロナウイルスの影響 】 Posted by Hayashi


冬に向かってコロナウイルスが再び流行しています。

冬から春にかけてどのように変化していくのかは不透明です。

このような不透明で不確実な一年間の中で、
園児募集や採用に関してもイレギュラーな年でした。

今年の園児募集の結果がある程度出揃い、傾向を確認すると
やはりコロナウイルスの影響はあったと想定されます。

園児募集は様々な要因によって成果が分かれていきますので、
一概には言えませんが、数字での分析上では、
今年の園児募集で成果が出ている園の傾向は
(1)0歳から1歳へのアプローチに以前から力を入れていた園
(2)コロナ禍であっても入園説明会をしっかりと行った園
に園児が集まっている傾向にあります。

以下簡単に解説させていただきます。

(1)0歳から1歳へのアプローチをしっかりと行っていた園

園児募集をしていく上でコロナウイルスの影響が大きかったのは、
未就園児教室の開催が難しかった点
です。

近年の園児募集の傾向で言えば、
各ご家庭は未就園児教室に参加し、園の雰囲気を確認し、
園を選択していくという傾向が強いです。

実際にベネッセの情報発信サイトでは、
幼稚園選びで重視したい7つのポイントという記事で、
未就園児教室に参加することを前提とした内容で
ポイントを解説しています。

https://benesse.jp/kosodate/202011/20201115-4.html

しかし、今年はコロナウイルスの影響によって
未就園児教室を開催出来なかった園が多く、
園の雰囲気を未就園児教室を通して伝えることが出来ない

という状況になってしまうケースが多くありました。

特に2歳児の未就園児教室のみに力を入れている園では、
園と保護者の接点を設けることが出来ず、
園の良さや魅力を伝える機会を創出できなかった

という傾向にあります。

一方で0歳から1歳の子育て支援ひろばやイベントなど、
0歳から1歳へのアプローチを行っており、
前年度の段階で2歳児との接点を作ることが出来ていた園は
園の雰囲気を感じる機会があったことから、
比較的募集も安定していた傾向にあるようです。

今年は保護者の視点から見ても、
未就園児教室への参加が叶わないことから、
限られた選択肢の中から園の選択をした
という形になっていることが予想されます。

(2)コロナ禍であっても入園説明会をしっかりと行った園

今年度は入園説明会について、通常通り開催したところのほか、
密を避けるため複数回に分けて開催した園、
開催をしなかった園など、実に様々でした。

コロナ禍であったとしても例年通りの
説明会参加者数を維持することが出来ている園は、
今年の募集でも比較的安定していたのではないかと思います。

1回あたりの説明会の定員が少なかったとしても、
複数回に分けて開催をし、例年通りの参加者を維持している園では
逆に説明をしっかりと行うことができたということで、
入園決定率が高かった園もあります。

満3歳児については思ったよりも伸びなかったという園も
多かったのではないかと思いますが、
これもコロナウイルスの影響は少なからず受けたのではないかと思います。

やはりご家庭からしても不透明な情勢の中で、
4年保育の入園を検討するよりも、
ある程度落ち着いてから入園をさせたいという傾向も
あったのではないかと予想されます。

それでも全国的に見れば満3歳児での入園は増加傾向であり、
コロナウイルスが落ち着いてからの園児募集では、
満3歳児で入園するということが当たり前になっていく可能性は
やはり高いのではないかと思います。

今後の募集のことを考えますと、
・0歳から1歳へのアプローチの強化
・満3歳児教室の設定

はやはりキーポイントだと思います。

特に0歳から1歳へのアプローチについては、
今年の園児募集の状況を考えてみても、
とても重要になってきていると感じますし、
今後満3歳児での入園が当たり前になっていくことを考えると、
1歳児での接点づくりがポイントになることは間違いありません。

認定こども園、保育所の増加、無償化によって、
募集の低年齢化は確実に起こっていますので、
来年度の園児募集に向けて、
ぜひその環境づくりに力を入れていただければと思います。