DIARY

「花王」の再起から学ぶ!感性マーケティングを取り入れた広報活動

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「花王」の再起から学ぶ!
感性マーケティングを取り入れた広報活動
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〈本文のポイント〉
・シャンプー事業で日本最古の歴史をもつ花王株式会社の売上成長が停滞
・花王を再起させた「感性マーケティング」を取り入れたリブランディング
・感情に訴えかけて納得感を引き出す商品開発と広報施策
・自園でも活用できる「なんかよさそう」と思われる動画の撮影方法
・納得感を引き出す文章型広報「note」で使えるライティング術

〈本文〉
「感性マーケティング」という言葉を聞いたことはありますか?
感性マーケティングとは、
人の感情に訴えかけるマーケティング手法のことです。

この手法を上手に取り入れることで、
リブランディングで売上向上に成功したのが、
エッセンシャルやメリットなど
六つのシャンプーブランドをもつ花王株式会社です。

先日、花王でシャンプーブランドの
リブランディングを担当された
ブランドマネージャーの方のお話を伺う機会がありました。

花王株式会社は約100年前、
人々がまだ週に一度、石鹸を使って髪を洗っていた時代に
日本で初めてシャンプーを開発・販売した歴史のある会社です。

しかし2023年、それまで成長を続けていた
シャンプー事業は大きな転換期を迎えます。

それまで、リーズナブルな商品を多く取り揃えていた
花王株式会社ですが、当時のシャンプー市場の41%は
1,400円を超える高額な商品でした。
花王株式会社はその波に乗り遅れていたのです。

そこで花王が取り組んだのが、
「感性マーケティング」を取り入れた
シャンプー事業のリブランディングです。

それまで花王は「ダメージ補修」や「頭皮ケア」など
その商品に「どのような機能があるか」という
情報を訴求することで、商品をPRしていました。

しかし、このリブランディングで花王は、

「今の私に必要」
「私に合っている」
「なんだか好き」

そんな感情でブランドを選んでもらう考え方へと
大きく舵を切ったのです。

店頭で商品を選ぶ時間は、わずか10秒程度といわれています。
その短い時間で機能を比較し、
合理的に判断することは簡単ではありません。

だからこそ、「好き」「自分に合いそう」という
直感を大切にしたブランドづくりへと転換したのです。

花王では、以下のようなポートフォリオを使って
自社ブランドを分類しました。


出典:花王株式会社のニュースリリース

このポートフォリオの縦軸では、
「ハイエネルギー」と「ローエネルギー」
を指標としています。

「ハイエネルギー」とは活発な様を表し、
新たな挑戦などを想像させます。
反対に「ローエネルギー」とは、リラックスした様を表しています。

一方、横軸では、「集団」と「個人」を指標としています。
「集団」は人とのつながりを感じさせる
柔らかな印象を与えるのに対し、
「個人」は自分磨きなど洗礼された印象を与えます。

花王のリブランディングでは、
それまでの自社ブランドで補うことができなかった
右下の青色「Balance(こだわり・調和)」に適する
「THE ANSWER」という新ブランドの立ち上げも行いました。
この商品は2024年の暮れに販売が開始され、
花王のシャンプー事業を再起させるきっかけになりました。

新ブランドの商品開発では、
青色のエリア「Balance(こだわり・調和)」を表現し
消費者の感情を動かすため、
「花王の実績や歴史に裏付けられた信頼性」を
商品のアピールポイントとしました。

そのために花王が施した仕掛けには以下のような例があります。

・キーデザインには、シャンプーについての情報をとにかく詰め込む
花王のシャンプー「THE ANSWER」には様々な成分が配合されており、
その配合は「世界初」の称号を掲げています。
しかし、一般の消費者がその成分の良さを
正しく理解することは難しいことです。


出典:花王株式会社のニュースリリース

つまり、上図のTHE ANSWERのキーデザインは
一つ一つの用語の意味が分からなくても、
「ヘアケア研究」「5大必須成分」
「ラメラプラットフォーム技術」といった、
科学的に証明されている印象を与える
キーワードを情報に盛り込むことで
「何かよさそう」という信頼感や納得感を与える
仕掛けをしたのです。

・塗り洗いという特殊で、少し手間のかかる使い方
THE ANSWERは、シャンプー液を
一度髪に塗り広げてから泡立てるという
手間のかかる使い方を推奨しています。

■塗り洗いについて紹介した動画
https://youtu.be/gY_I-66L3XE?si=4o6UtH55mPBGfIId

私も実際に購入して試してみましたが、
しっかり全体に塗り広げないとよく泡立ちません。

しかし、この手間こそが「髪にいい感じがする」という
消費者の心理を引き出す仕組みなのです。
実際にTHE ANSWERが発売されると、
塗り洗いに納得感を覚えた消費者からの口コミが
インターネット上にあふれていたそうです。

かくいう私も、手間と思いつつ使い続けてみると、
「最近髪の調子がいい気がする」と感じています。

以上のような仕掛けにより、
花王は感情に訴えかけるという手法で
他のシャンプーとの差別化をはかりました。

そして、このTHE ANSWERが発売されたことをきっかけに、
9年連続で落ち続けていた花王のシェア率は
11%から13%にV字回復しました。
さらに、1,400円以上の高額商品を扱うメーカーシェアでは、
32位(2023年)から、4位(2025年)に上昇し、
リブランディングの目的となる再起を果たしたのです。

花王が取り入れた「感性マーケティング」は、
就学前教育保育施設の
差別化をはかる広報活動にも活用することができます。

現在、多くの就学前教育保育施設では
InstagramなどのSNSを通して
「英語教育があります」「体操の教育をしています」
「食育に力を入れています」「自然体験が豊富です」
といった独自の教育を発信しています。

それに加え、
「預かり保育の実施」や「子育て支援教室の開催」など、
利便性を高める機能についての情報発信も行われています。

もちろん、どれも園の魅力の一つです。

しかし、それらの発信を正しく行わなければ
「どの園も良さそう」
「違いがよく分からない」
という状態が発生しかねません。

さらに今後は、その状況がより進む可能性があります。

こども家庭庁によると、保育所における
「付加的保育・付加的サービス」の実施に向けた
制度整備が進められています。

これまで幼稚園の強みとして発信されることが多かった
英語や体操、リトミックなどの教育的コンテンツが
保育所でも展開されるようになれば、
幼稚園と保育所の垣根はさらに低くなり、
その差は分かりにくくなっていくことが予想されます。

そこで本メルマガでは、
Instagramの縦型動画の投稿「リール」を活用して
差別化を図る方法の一例として
動画の撮影方法をご紹介いたします。

そもそもInstagramは、映像や写真が投稿のメインとなり、
「なんかよさそう」と思う直感や感性をつかさどる右脳に
アプローチしやすい媒体でもあります。

では、右脳にアプローチできる映像とは、
どのように撮影すれば良いのでしょうか?

ポイントは、
【ターゲットを定めること】
【「誰が」「(誰に対して)何をしている」様子か伝わる画角で撮影すること】です。

まず【ターゲットを定めること】で、
商品やサービスのどんな側面を、どのようにしてPRするか
方針を決めることが重要です。

花王の事例の場合、ターゲットを
ポートフォリオの青色「Balance(こだわり・調和)」に
分類される感情をもっている人に定めました。

さらに、そのターゲットは
「花王の実績や歴史に裏付けられた信頼性」に
魅力を感じると推察し、
科学的根拠に基づいた髪に良い成分の配合や、
特殊な使い方をPRする方針に決めました。

このようにターゲットを定め、
その人のもつ感情を分析することで
相手が「なんかよさそう」と感じるツボを抑えた
広報活動をすることができます。

ポイントの二つ目、
【「誰が」「(誰に対して)何をしている」
様子か伝わる画角で撮影すること】は、
実際に映像を撮影する際のスキルについてです。

GCLIP主催で定期開催している地域一番園実現勉強会の様子を撮影し、
紹介したリールでも、以下のような映像を使用しています。

■まつやま保育園グループ様を視察した勉強会の様子を紹介したリール
https://www.instagram.com/reel/DVcdFKwkocH/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
※Instagramアカウント「株式会社GCLIP@gclip1224」で投稿

【上記リールで使用している「誰が」「(誰に対して)何をしている」を伝えるための映像】

①参加者の肩越しに、目線の先にある設備を映した映像
→参加者が見学した「設備のみ」を映し出すのではなく、
「参加者」が「設備を見学している様子」として撮影する

②参加者が資料にメモをしている手元を映した映像
→用意している「資料のみ」を映し出すのではなく、
「参加者」が「資料にメモをしている様子」として撮影する

③参加者の背中越しに、登壇している講師を映した映像
→登壇して話している「講師のみ」を映し出すのではなく、
「講師」が「多くの参加者に対して、講演している様子」として撮影する

このように、伝えたいことだけを映し出すのではなく、
「誰が」「(誰に対して)何をしている」映像として撮影することで
印象に残るリールを作ることができます。

しかし、上記のような撮影方法では、
「本当に伝えたい物・こと」以外の情報が映り込み
動画の主役が分かりにくくなってしまう場合があります。

そこで役立つのが、iPhoneの純正カメラにある
「シネマティック」という機能です。

シネマティックモードで撮影した映像は、
撮影後にピントの位置や、
絞り(ピント周辺のぼかし)の範囲を調整することができます。
主役にピントを合わせ、その他に映りこんでいるものが
ぼかされるように調整することで、
その映像の主役が何かわかりやすくすることができます。

シネマティックモードで撮影した映像を撮影後、
ピントの位置や、絞り(ピント周辺のぼかし)の範囲を
調整する方法は以下の通りです。


※画像をダウンロードしてご活用ください

例えば、就学前教育保育施設で上記のポイントを取り入れた場合、
次のようなケースが考えられえます。

ターゲットを「子どもが集団生活のルールを学びつつ、
園生活を安心して楽しめる幼稚園を探している保護者」
に定めた場合、その保護者は
「自分の子どもも楽しめそう!」
「この先生にだったら安心して預けられそう」
「我が子もこんなふうに成長したら嬉しい」
などの感情を持っていると推察できます。

このような感情を持っている保護者にアプローチする場合、
「園児が一人で遊んでいる映像」よりも
「園児」が「お友達と相談しながら遊んでいる様子の映像」や、
「園児」が「先生の話を真剣に聞く様子」を
先生の肩越しから撮影した映像を使用することで、
子ども同士・園児と先生の距離感や
被写体となっている園児の心情・表情を伝えることができます。

Instagramのリールで右脳にアプローチして
「なんかよさそう」と思われる仕掛け作りをしたら、
さらに、その魅力を詳細に伝える媒体も用意しましょう。
そうすることで、保護者や求職者にさらなる納得感を与えることができます。

そんな情報発信をする媒体の一つに、
ブログ調の文章を発信することができるサイト「note」があります。

実はnoteでは、教育機関が運用するアカウントが増加しており、
2025年度の新規アカウント開設数は前年比6.4倍となりました。

また、noteが2024年に実施した調査によると、
noteを読む理由の第1位は

「ここにしかない情報がある(19.4%)」でした。
つまり、noteのユーザーは、HPやInstagramでは知ることのできない
コアな情報を求めているのです。


出典: note株式会社が2024年に実施したアンケート結果

noteでは、ストーリー性のある記事が好まれる傾向にあるため、
「自園の教育内容」や「教育への想い」、
先生のやりがいとして「園児とのエピソード」
などを発信することがオススメです。

納得感を引き出す記事の書き方のポイントは、以下の二つです。
【文章に具体的なエピソードを盛り込み、独自の記事にすること】
【表情や情景の描写を詳細に説明し、
読み手がその状況を追体験できるようにすること】

詳細は、以前のメルマガで解説しておりますので、
ぜひ、ご覧ください。

■ライティングのポイントを紹介したメルマガ
「最大の差別化は“経営者”情報の見える化」
https://www.gclip.net/diary/6260/

このような「感性マーケティング」を取り入れた広報活動を通して、
ターゲットとなる保護者や学生の感情に訴える情報を発信し、
別の媒体で詳細を語り納得感を得ることで、
他園との差別化をはかるのはいかがでしょうか?

就学前教育保育施設の広報発信に取り入れることのできる
仕掛けについては、
8月26日(水)にオンラインで開催する
「自園の魅力が伝わる 広報力向上のための集中講座 選りすぐりの20選」
でも、詳しくお伝えいたします。

本セミナーでは、写真や動画の撮影・編集方法、
Instagramの運用方法、ライティングなど
20の具体的な事例をご紹介しながら、
感情に訴えかける、正しい広報活動の方法を解説いたします。

この機会に、ぜひご参加ください!

▼自園の魅力が伝わる 広報力向上のための集中講座 
選りすぐりの20選の詳細はこちら
https://www.gclip.net/seminar/6968/