DIARY

地域住民のよろこびを共助に変えるコミュニティナース

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地域住民のよろこびを共助に変えるコミュニティナース
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<本文のポイント>
これからの就学前教育保育施設は地域での多様な役割が求められている
・コミュニティナーシング=”戦略的おせっかい”
・地域との関わりは保護者の喜びポイントの発見から始める

少子化により就学前教育保育施設には、
幼児教育を超えて地域の中での多様な役割を求められています。

しかし、一口に多様な役割と言っても、
実際に実践しようとすると、
・何から手を付けていいかわからない。
・そもそも地域との接点が薄い。
・地域のニーズが分からない。
といった悩みがあるのではないでしょうか。

4/24(金)に弊社主催の地域一番園実現勉強会では、
地域との関わり方の工夫により、様々な地域コミュニティの課題解決に貢献している
株式会社CNCの岩田様にご登壇いただきましたので、
今回は、その内容を皆様にお伝えいたします。

株式会社CNCは、
コミュニティナースという概念(活動)を実践し広める会社で、
ご登壇いただいた岩田様はその会社の事業の一つである
地域まるごと子育て縁で事業開発マネージャーを担当されています

コミュニティナースという言葉自体を聞き慣れないかと思いますが
株式会社CNCではコミュニティナースを
『日常の暮らしの中で、
「嬉しいや楽しい」と「心身社会的な健康」を
住民と一緒になってつくる”あり方”』

と定義しています。

つまり、地域の方々が互いに関係を築き、
その関係の中でお互いの喜びとなるような行動をすることで、
喜んで助け・助けられる関係性を育むことができる社会が作り上げられているこ

をコミュニティナースが実現された状態と定義しています。

その活動を簡単に言うと、地域住民の方のやりたいこと(喜び)を実現しつつ、
そのやりたいことが、別の地域住民の困りごとや役に立つような場を作る活動です。

例えば、後述する株式会社CNCが運営している
子育て支援施設(地域まるごと子育て縁)では、
虫に詳しい近隣の大学生の力を借りて、
虫取りイベントを実施した
ことがあったそうです。
 image.png

その施設で、子どもたちにイベントでやりたいことを聞くと、
子どもたちから、「虫捕りをしたい!」という声が上がりました。

普通であれば、虫捕りイベントを実施しても、
「どうやったらうまく虫を捕まえられるか?」といったコツや、
「捕まえた虫がどんな虫か?」という知識は、
そこで働く先生や大人の調べた(知っている)範囲で行うことになると思います。

一方で、コミュニティナーシングを実践している、地域まるごと子育て縁では、
地域の方の協力を得て、虫の解説や虫捕りの指導を行ってもらいます。

具体的には、近くの大学で活動している生物系のサークルの
「虫が大好きな学生」に、力を借ります。
本当に虫が好きな学生に手伝ってもらうことにより、
子どもたちは虫についてより興味深い学びを得られますし、
学生自身も自分たちの好きを語り教えられる楽しい時間を過ごすことができます。

このように、地域住民の得意(上記の場合は学生)を活かすことによって、
地域の課題(上記の場合は虫に詳しい先生がいない)を解決する手法や考え方を
コミュニティナーシング
といいます。

コミュニティナーシングは4つのステップによる
戦略的なおせっかいによって成り立っています。

Step1 地域によって異なる「日常の導線」を発見する
Step2 日常の導線となる場で、地域住民と関わり「喜び」を発見する
Step3 つながりをデザインし、喜びを発揮する「場」を用意する
Step4 地域住民の中で、コミュニティナース的な動きをする方を「育てる」

まず最初の「日常の導線」とは、その地域の多くの方が生活の中で
必ず利用する場所や施設
のことを指します。

例えば、郵便局やスーパー、

車が必須の地域におけるガソリンスタンドなど、
どういった場所が「日常の導線」にあるかは、地域によって異なるため、
コミュニティナーシングの活動は、
日常の導線を見つけることから始まります。

次に日常の導線では沢山の地域住民と接点を持てるため、
コミュニティナースから地域住民に話しかけ、
その方の得意や好きなどの喜びポイントを見つけます。

例えば、最近自作した家具の話を生き生きとしゃべる方がいれば、
その方はモノづくりが好きな方と分かります。
そういった喜びポイントを、
一見雑談にも見える声かけ(おせっかい)によって、
一人ひとりから引き出していきます。

地域住民の喜びポイントを見つけたら、その喜びを実現できる場所や、
つながりを作っていきます。

先ほどの、モノづくりが好きな方に対しては、
モノづくりワークショップのような、
人に伝えられる機会を作りだしたり、
家具が壊れている家庭の修理を手伝ってもらったり、
といった活躍の場を用意します。

こういった活躍の場があることにより、
地域の方々が助ける側と助けられる側の隔たりがなくなり、
お互いに助けあう機会と意識ができあがっていきます。

最後に地域住民の中から、
周囲の方の喜びを見つけたり人と人をつなぐのが好きな方に、
コミュニティナーシングの動きをしてもらえるよう
に働きかけます
それにより、共助の輪をより広く地域全体に広げやすくなります。

このようなステップを踏んで、地域の方々同士でよろこびを起点とした、
共助の仕組みを作りあげていくことが、コミュニティナーシングの目的になります。

このコミュニティナーシングを子育てという観点から、実践しているのが、
今回登壇してくださった岩田様が事業開発している地域まるごと子育て縁です。

地域まるごと子育て縁では、
一時預かりのようなこどもを預かる施設でありながら、
子育てが、地域とのつながりのきっかけとなるように、
地域の方の得意を活かした日々の活動やイベントを行っています。

(実際の地域まるごと子育て縁の活動を、
株式会社CNC様のnoteからぜひ覗いてみてください。
URL:https://note.com/cnc_note/n/n65f8c5841c2e

例えば、夏休みの虫捕りイベントの企画に
近くの大学の生物系サークルの学生に解説に来てもらったり、
地域の高齢者の方にひな祭りのような伝統を教えてもらったりと
地域まるごと子育て縁では、老若男女問わず親子で地域住民と関わる機会があります。

また、そういった地域交流の場を作りだすための仕掛けを考える場として
地域おせっかい会議という、
月に1回地域住民の方々が集まり、
自分の特技を活かした場づくりの提案
「最近あの人元気ないな」といったちょっとした気づきを共有するがあります。

この地域おせっかい会議を通して、
新たなネットワークやおせっかい人材を生み出し
新たな地域住民との関係構築に機能しているのです。

ここまで地域の方との関係構築をする際に参考になる、
コミュニティナーシングという考え方を紹介いたしました。

最初から、「地域」と言われると
今まで保護者以外の方々との関わりが少ない場合は、
ハードル高く感じてしまう
かもしれません。
しかし、在園児や卒園児の保護者、もしくは卒園児の中にも、
おせっかい気質の方や、
得意を活かしたいと思っている方がいる可能性があります。

例えば、
行事で保護者ボランティアによる企画を実施したり、
園内のちょっとした修繕に保護者の手を借りたりと、
今まで関係を持ってきた地域住民の「喜び」を活かした
「おせっかい」を発揮してもらう機会は意外とたくさんあります。

そういった方々の協力を得ることで、
親子ひろばや未就園児教室などの子育て支援の取り組みの一貫として、
・美容師の保護者による初めての散髪イベント
・親子ひろばでのハンドマッサージ講習
・木工が得意なパパによる園庭遊具を作りながら学ぶDIY講座
のような、取り組みが実現可能になります。

このように、保護者の「得意」や「喜び」を起点に、
自園だけでは実現が難しかった広がりのある活動を展開しながら、
地域との接点を増やしていく
ことができます。

今後、子育て支援や教育を超えた地域貢献が求められていく
就学前教育保育施設の最初の地域住民との接点として、
まずは身近な保護者の「喜び」を見つける
「最近、やってみたいこと・得意なことはありますか?」
という質問から新しいイベント立案をしてみてはいかがでしょうか