保育所における付加的保育・付加的サービスの取り扱い
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・保育所において上乗せ徴収が認められる方向性
・保育所において課外教室が認められる方向性
・上記によって保育所の戦略が変わっていく可能性があります。
・またそれに伴い、
2015年のこども子育て支援新制度以降、
幼保の垣根がどんどん低くなっています。
今回、さらにその垣根が低くなる
方向性が示されました。
それが
「保育所における付加的保育・付加的サービスの取り扱い」
についてです。
付加的保育や付加的サービスという言葉は
あまり聞き馴染みのない言葉かもしれません。
まず付加的保育とは、
保育所の保育時間内において実施される、
体操や英語、リトミックなどの付加的な保育のことです。
そして、付加的サービスとは、
原則として保育時間外において実施される体操や英語、
リトミックなどの付加的なサービスのことです。
幼稚園でいう正課保育における上乗せ徴収分の教育と、
今まで保育所では付加的保育や付加的サービスの実施は、
福祉の観点から不平等が生じるため、
実施を認めないという自治体が多い傾向にありました。
またそもそも保育所は施設と保護者との直接契約ではないため、
自治体の考えが大きく影響される傾向にありました。
しかし、令和8年3月の子ども子育て支援等分科会において、
保育所における付加的保育・付加的サービスの取り扱いについて、
定義や詳細について今後通知で示される内容を確認すると、
付加的保育における上乗せ徴収、さらに、
付加的サービスの実施を認めることになっています。
その内容についてまとめると以下のようになります。
・付加的保育の実施について
法令上の「特定教育・保育の提供に当たって、
当該特定教育・保育の質の向上を図る上で
特に必要であると認められる対価」の対象に、
体操、英語、リトミック等も含まれ得る。
その対価については市町村との協議を経て
「上乗せ徴収」により保育所の判断で実施可能。
・付加的サービスの実施について
付加的サービスを実施する事業者と保護者の
直接契約による保育所における付加的サービスの実施について、
保育所保育指針を踏まえたこどもの
健全な心身の発達に資する内容であれば、
保育所において実施可能であり、
結論としては付加的保育・付加的サービスともに
認められるという内容になっています。
また重要な内容として付加的サービスについては、
市町村との協議は不要であるということになっています。
これによって考えられることが以下のような内容です。
・保育所の教育的なコンテンツの強化
今まで保育所では上乗せ徴収を前提に、
付加的保育を実施するということができない自治体が多かったです
今回の方向性により、それができるようになると、
保育所でも教育的なコンテンツを導入する園が
増加するということが考えられます。
可能性として0歳児から英語に特化した英語保育園を
認可保育所でできるということになる可能性もあります。
英語特化の保育園は今までは認可外保育施設で行われるケースが多
費用面等含め高額になる傾向がありました。
しかし、認可保育所でできるようになると条件が変わってきます。
英語だけではなく、体操やその他付加的な内容をメインに捉え、
それを強みとして打ち出す保育所も出てくるかもしれません。
・保育所利用者も働きながら習い事ができる
付加的保育や付加的サービスを幼稚園的な表現でいうと、
付加的保育が正課保育における上乗せ徴収分、
付加的サービスが課外教室に近い形になります。
今まで幼稚園は課外教室を行ってきており、
共働きの方からの課外教室のニーズは高い傾向がありました。
実際に幼稚園が認定こども園に移行した場合、
2号認定の課外教室ニーズはとても高い傾向にあります。
もちろん幼稚園を選択する理由は課外教室ではなく、
園の教育理念や方針、独自性がメインではありますが、
共働きの世帯にとって、働きながら習い事が習える
ということは大きな魅力です。
保育所で付加的サービスが実施可能になるということは
共働きの世帯でも保育所に通いながら、
習い事を習うことができるということになります。
共働きが当たり前の時代になっています。
そして、昔の共働きのイメージとは異なり、
余裕のある共働きも増加しています。
保育所を選択する中で、
ダブルインカムで余裕のあるご家庭は、
教育要素の強い保育所を選択する可能性は高いです。
保育所が付加的保育・付加的サービスが実施できるようになると
今後の保育所の戦略に大きな影響を与えます。
また幼保の垣根はますます低くなり、
保護者の選択の仕方にも大きな影響があると考えられます。
その結果、
幼稚園の役割も教育だけではなく、
子育て支援や共働きへの対応など、
多岐に渡ってきています。
同時に保育所の役割も拡大しています。
幼保の垣根が低くなるというのは特徴や強み、
独自性が見えづらくなるということでもあります。
マーケティングや発信はさらに重要になりそうです。
そして地域に愛され、応援され、
新年度に入りました。
今年度、改めて自園の行っている領域や教育の整理を行い、
発信を積極的に行っていく年度にしていただければと思います。
