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【Z世代を見据えたこれからの園児募集】

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Z世代を見据えたこれからの園児募集
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<本文のポイント>
・保護者の世代が少しずつミレニアル世代からZ世代へ
・Aiを活用した検索への対応が大事
・ライフスタイルに応じた個別対応の重要性が増していく
・自園の地域や社会での存在意義の確認と未来への発信を意識する
 
ミレニアル世代という言葉をご存じでしょうか?
 
1980年頃~1995年頃に生まれた世代のことであり、
今、30歳~45歳くらいの世代です。
この世代の次がいわゆるZ世代と呼ばれる世代です。
 
今までは採用活動やマネジメントにおいて、
Z世代を意識したマーケティングが必要でしたが、
今後はいよいよZ世代も保護者世代となり、
園児募集においても、Z世代を意識することが必要になってきています。
 
ミレニアル世代と比較した場合に、
Z世代を意識した園児募集を進めていく上で、
例えば以下のようなポイントがあります。
 
・更なるデジタルネイティブ
・更なる多様化
・コスパだけでなく、感情も大事
 →特に共感と体験が大事
 
一つずつ簡単にポイントを解説していきます。
 
・「更なるデジタルネイティブ」への対応
デジタルネイティブと多様化という言葉については、
ミレニアル世代から言われていることですが、
さらにその傾向が強まっていきます。
 
デジタルネイティブについていえば、
ミレニアル世代はGoogleやInstagramなどで、
ググる、タグる、というように検索をしていきましたが、
今後はAiに「聞く」という方向に変化していきます。
 
Aiはインターネット上にある情報について、
より確かだと思われる情報を探し出し、
その答えをまとめて教えてくれるようになります。
 
その確かだと思われる情報はホームページや、
今回の経営情報の見える化などによって活用される、ここdeサーチなど、
公式的なものから情報をすぐに見つけ出し、
質問に対して答えてくれるようになっていきます。
(口コミなどの要素も踏まえて判断されていきます)
 
自分自身で検索をすれば、
法人自体が発信している情報かどうかを
自分自身で判断することができますが、
この判断を一旦Aiが行うという流れが生まれます。
 
インターネット上にほとんど情報が掲載されていない、
正しい情報ではなく、憶測の情報が多い
というような状況では間違った情報が広がっていく
ということに繋がる可能性があります。
 
だからこそ、デジタル媒体での発信は
より重要になり、経営情報の見える化についても
力を入れて対応すべきことになっていきます。
 
・更なる多様化への対応
これからの園児募集は共働きの増加のほか、
こども誰でも通園制度などの影響によって、
さらに低年齢化が進んでいきます。
 
実際に3歳児の園児募集については、
1号認定の新入園児がほとんどいない
という園も多く存在しています。
 
もはや0歳児から2歳児の受け入れを
どのように進めていくのか、
ということが重要になってきています。
 
0歳児から2歳児を受け入れていくにあたり、
特に重要になってきていることが、
「個別での対応」です。
 
0歳児から2歳児での受け入れ対象は共働き世帯となり、
価値観やライフスタイルが多様化していますので、
それぞれのご家庭のニーズが異なります。
 
特に園児募集の低年齢化が進んでいる地域は、
各ご家庭のニーズに対応しながら、
園児募集を進めていくという視点に立つと、
多くの方を一度に集めての説明ではなく、
個別での見学や説明に重きを置くことが重要です。
 
これは個々のライフスタイルに合わせて
適切な提案ができるということも大きいですが、
それだけではなく、一度に集めての説明の場合、
ライフスタイルの異なるご家庭の質問や疑問に
振り回されてしまうケースが想定されます。
 
ぜひそれぞれのライフスタイルやニーズに合わせ、
適切な情報を提供するということを意識し、
個別対応ができるイベントの企画を
行っていただければと思います。
 
・コスパだけではない、感情に届く園児募集戦略
Z世代はコスパだけではなく、共感や体験を重視する
という傾向があると言われています。
 
例えば「エシカル消費」という言葉がありますが、
これは社会や環境を考えて商品やサービスを選択する
ということを意味しています。
Z世代は他の世代よりも、その傾向が強いと言われています。
 
・その法人が社会や環境に対してどういう思いを持っているのか
・その法人がその商品やサービスにどういう思いを持っているのか
という視点を大切にし、その思いに共感できるのかが
とても大切になってきています。
 
そのため園の理念や方針などの思いの部分はとても大切になると思います。
 
また、社会や地域に対して、どういった思いを持ち、
これからどういう取り組みをしていきたいのか、
ということも大切になっていきます。
 
地域での自園の在り方を改めて考え、
その姿勢を発信していくことがとても大切です。
 
発信していく際にポイントとなる点は、
「未来を語る」ということです。
 
多くの場合、共感は現在や過去の取り組み以上に、
未来に対してするものです。
 
自園が地域にとって、将来どういう存在になりたいのか、
という未来の部分にこだわりを持って発信していただければと思います。
 
こども家庭庁から昨年10月に発表された
「今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の
在り方に関する有識者検討会最終報告」では、
「地域における幼児教育施設の役割」が
現代の課題に応じて検討すべき事項として挙げられ、
 
「幼児教育施設は、地域の幼児教育の中核的存在として、
在園児のみならず、地域の子供に幼児教育の機能と施設を積極的に開放し、
様々な家庭や年齢層の子供が学びの環境に
関わることができるようにすることが重要。」
 
という記載があります。
 
今後、幼稚園の地域での在り方は、
積極的な開放を前提に進んでいくことが予想されます。
 
園児募集において、Z世代に対応していく上でも、
そして時代の要請としても、
地域における園の役割を考えることは重要になりつつあります。
 
今後の園児募集を考えていく上で、
ぜひもう一度、地域での在り方を考え、
未来に向けた共感を生むメッセージを
発信していくことを意識していただければと思います。
 
まとめてポイントをお伝えすると、
 
・Aiを活用した検索への対応
・ライフスタイルに応じた個別対応
・自園の地域や社会での存在意義の確認と未来への発信
 
このあたりが大きなポイントになっていくと予想されます。
 
ぜひ上記ポイントを踏まえて園児募集を
再構築していただければと思います。