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【直近の業界動向】

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直近の業界動向
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<本メルマガのポイント>
・人員配置の変更の考え方を正しく理解する
経営情報の見える化に備えるために加算の意味をしっかりと理解す
・低年齢児の施設整備はこども誰でも通園制度を上手に活用する
 
 
 
3月15日にこども家庭庁を中心とした
「全国こども政策主管課長会議」というものが行われ、
令和6年度の補助金や加算などの動きについて
詳細な資料が公表されています。
 
その中から今後の動きとして押さえておきたいものを
ピックアップしてお伝えしたいと思います。
 
 
・人員配置の改善について
令和6年度から人員配置の改善が行われます。
<令和5年度まで>
3歳児→20:1
4歳以上児→30:1
<令和6年度から>
3歳児→15:1
4歳以上児→25:1
 
上記の変更がありますが、
猶予期間を設けているということもあり、
すぐに人員配置を新しいものにしなければならない
ということにはなっていません。
 
今年度の公定価格の概要を確認すると
新たに「4歳以上児配置改善加算」というものが出来ています。
これがまさしく25:1の体制を取るためのものであり、
その配置を達成することで得られる加算になります。
 
一点、注意点としてはチーム保育加配加算を取得している場合、
すでに25:1の人員配置が達成できているとみなされ、
同時に取得することが出来ないという記載があります。
 
そのため、重要なことは
チーム保育加配加算を満たす人員配置を実現している法人は
人員配置の改定があるという理由で採用をすると、
持ち出しとなってしまうということに注意することです。
 
 
 
・経営情報の継続的な見える化の実現
これは令和7年度から開始される予定ですが、
「幼稚園・保育所・認定こども園等の設置者に、
教育・保育施設の経営情報を都道府県知事に報告することを求める。
・ 施設型給付・地域型保育給付を受けるすべての施設・事業者を対象とする。
・ 毎事業年度の経営情報(収支計算書、職員給与の状況等)について報告・届出を求める。」
ということが発表されています。
 
処遇改善をさらに進めていくということが大きな目的になっていますが、
令和7年度以降は経営情報を確認の上、
加算取得に関する要件の変更や加算額の増減などが
さらに発生する可能性がありそうです。
 
正直に言えば、グレーな状態で加算を取得している
という場合もあるのではないかと感じます。
 
今後はそういったものが取得できなくなる可能性もありますので、
現段階で加算の取得要件についてあまり理解せず加算を申請し、
取得できてしまっているものについては
改めて内容を確認し、理解した上で申請をすることが重要です。
 
 
・就学前教育保育施設整備交付金
認可保育所の立ち上げや認定こども園への移行の際に施設整備が発生します。
その施設整備のための補助金が就学前教育保育施設整備交付金です
この補助金について、令和6年度の1回目の協議で予算を満たし、
2回目以降は一旦打ち切りになったということで、
今年度整備を検討していた多くの自治体で話題になりました。
 
現在でもこの交付金がどうなっていくのか不明な状況が続いていますが、
令和6年度当初の予算と令和5年度当初の予算を確認すると、
確実にその金額が小さくなっていることがわかります。
 
令和5年度当初予算案 295億円

令和6年度当初予算案 245億円

 
その差は50億円となっており、大きく減少しています。
 
今後は施設整備交付金を得ながら施設を整備していくというハードルが
さらに上がっていくことが予想されるため、
移行を検討している法人様は早めに動くことをお勧めします。
 
一方でこども誰でも通園制度の整備についても
この交付金のメニューの中に入っていることから、
待機児童対策という名目ではなく、
こども誰でも通園制度の新たなニーズに対して
整備を行っていくということも考えられます。
 
これは逆にチャンスになる可能性がありますので、
0歳児から2歳児の環境整備を強化していきたいという法人様は
こども誰でも通園制度を活用するという視点を持ち、
各行政との協議を行うということも検討してみてください。
 
 
保育所等における2歳児の減少を受けた事業実施に対する支援事業
今回、個人的にとても驚いた補助金があります。
それが「保育所等における2歳児の減少を受けた事業実施に対する支援事業
というものです。
以下がその内容です。
 
「保育所の2歳児(年度途中で満3歳を迎える児童)について、
保育料の無償化との関係で年度の途中において
幼稚園に転園するケースが生じていることから、
2歳児に限り、年度の当初あるいは途中に比べ、
やむを得ない事情により利用児童数が減少してしまうようなケースが生じた場合、
地域の在宅低年齢児に対する相談支援を実施するための経費を補助することとする。」
 
簡単に言うと保育所において、
満3歳児が幼稚園に転園してしまった場合
その穴埋めのために補助金を出す
ということだと解釈ができます。
 
園児数の減少に対しての補助金ということですので、
補助金の内容としてどうなのか、と疑問に思うのですが、
令和6年度から新たな支援事業としてスタートするようです。
 
 
 
そのほかにも様々な内容が話し合われていますので、
ぜひこども家庭庁のホームページから
会議資料をご覧いただければと思います。
 
就学前教育保育施設整備交付金の減額から見ても、
全体を通して、今までの待機児童対策というところから
大きく方向性が変わってきており、
幼稚園や認定こども園、保育所の在り方も
多様化されていくように感じます。
 
このメルマガでも以前にも書かせていただきましたが、
「自園が地域でどういう存在でありたいか」
「自園はどういった存在を目指していくのか」
ということをしっかりと考える必要があります。
 
ある園長先生が
「今までもそうですが、これからはさらに
ミッション(使命)、パッション(情熱)、アクション(行動)が
重要な時代になる」
というお話をされていました。
 
時代の変化や制度の変化を捉え、ぜひ改めて
「自園が地域でどういう存在でありたいか」を
検討してみていただければと思います。
 
 
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