DIARY

【地域一番化戦略で翔けるこれからの私学経営】

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地域一番化戦略で翔けるこれからの私学経営
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<本文のポイント>
・これからの活躍する園の戦略は地域一番園化戦略である
・地域一番園化を実現するために、マーケットサイズ付加を検討しよう
宮城県大崎市にある学校法人明星学園白梅幼稚園の経営戦略事例紹
・オンデマンド配信がありますので、地域一番園化戦略に興味ある方は
 是非視聴をご検討ください(ちょっぴりセールスです)!

<本文>
地域一番園化戦略とは、
何らかの形で経営コンサルティングとかかわりのある皆さまは
一度は耳にしたことのある言葉だと思います。

結論から言いますと、
これからの私学経営は「地域一番園化」を目指すことで、
ネガティブな言い方をすると、生き残りをかけて、
前向きに言い換えると、継続的な「顧客創造」をすることで、
地域に永く必要とされる園づくりをしていくこと
改めて戦略として打ち出す時代になりました。

背景には、劇的な少子化の進行と共働き率の向上があります。
教育標準時間だけでは数を追うことは出来ず、
預かりニーズを充足しないと1号認定でも人が集まらない時代です

こんな時代に宮城県大崎市という地方の人口12万人都市で
定員充足率100%を達成している、
学校法人明星学園白梅幼稚園という私学助成幼稚園
があります。

理事長の高橋先生が掲げる経営戦略が極めてシンプルかつ秀逸です
募集商圏は4㎞で園児獲得率(シェア)は23.3%、
1km商圏に至っては26.6%と地域一番園化の指標をクリアし、
実際、人気園であることは間違いありません。
凄いのが、独自に「事業沸騰の法則」という法則を編み出し、
自園が「人気」と「活気」に溢れ、賑わっている状態を意識的に創り出し、
演出にもこだわってそれを対外的にPR・広報することで、
また新たに人が集うという状態を戦略的に創り出している
ことです

「戦略的縮小」という言葉がありますが、
「縮小」であることには変わりないので、拡大しないまでも、
活気があって、賑わっている状態が望ましいという高橋先生の考えのもと、
常に人が集う状態の創出、つまり、「地域一番園化戦略」にこだわった
園経営を粛々と実践されている
のです。

我々コンサルタントにとっても目から鱗だったのは、
高橋先生が掲げるAIDMAの法則が、一般的に理解されるそれとは
‶まったく違ったものであ”るというところです。

A:Attention 知ってもらう
I:Interest 興味関心を持ってもらう
D:Desire (自園のサービスを)欲してもらう
M:Memory 相手の記憶に残る
A:Action (購買決定の)行動をしてもらう

これが一般的なAIDMAの法則ですが、
白梅幼稚園が定義するAIDMAは次の通りです。

A:Attention 人気園であることを周知する
I:Interest 教育内容に触れて好きになってもらう
D:Desire 自園を体験してもらう
M:Memory     〃
A:Action 当事者意識を持ってもらう
+ S:Satisfaction 満足してもらい新たな顧客を紹介してもらう

入口のAが「人気園であることを周知する」というのは、
まず通常の概念と大きく違うコダワリですし、実に理にかなっています。
また、通常意思決定である最後のActionまでがAIDMAの法則ですが、
白梅幼稚園ではAIDMAで言う所のActionはDとMの段階
既に決定していて、さらにそこから自園をより好きになってもらう段階を
次のスライドのとおり細かい段階に分けて用意しているのです。


人口12万人都市の中心地とはいえ、
生まれてくる子どもの数は年々縮小しています。
そこで勝ち続けるための「地域一番園化戦略」ですから、
共働き世帯でもきちんと通えるように
募集対象の拡大と受入体制の整備にもきちんとこだわっています。

事業収入(売上)の公式のひとつに次のようなものがあります。

【 売上=商圏人口×マーケットサイズ×シェア 】

マーケットサイズ(MS)という考え方があります。
MSとは、「国民一人当たりの年間支出額」を指します。
幼稚園で言えば、保護者負担金、所謂月謝の平均値を算出して、
全国の在園児数で掛け合わせると市場規模が算出されます。
この市場規模を現在の日本国民数で割った額がMSです。

GCLIPの調査でMSは、
1号認定で2,451円、2号認定で5,749円、
3号認定で4,052円という数字が出ています。

仮に人口12万人の商圏で1号認定児のみを対象に
10%のシェアを取っていたとすると、
12万人×2451×10%=29,412千円の収入となり、
補助金を合わせてもなかなか厳しい運営になることが予想されます
では、地域一番園シェアである26%だとどうでしょう?
12万人×2451×26%=76,471千円となり、
これだと補助金を合わせて十分に経営が成立しそうです。
※もちろん支出額とのバランスで考えるので、
 一概に収入だけで成立を論ずることはできませんのでご注意ください。

ところが、幼稚園の場合、
一定の距離を超えて人を集めるのがとても難しい事業でもあります
つまり、商圏人口というのはせいぜい2~5㎞ぐらいに限定されます。
仮に自治体の人口総数が12万人でも
商圏人口は3万人や5万人というケースは十分に考えられます。
そうすると、よりMSの大きい2号認定、3号認定へと
マーケットを広げていく必要があるのです。
これを、マーケットサイズ(MS)付加と言います。

商圏拡大の難しい幼稚園の場合、MSを付加することで、
単純に売り上げが上がることが往々にしてあります。

1号認定で10%(29,412千円)しか取れない場合でも、
2号認定で7%(48,291千円)確保できれば、
こちらも補助金と併せて経営が成立しそうな数値になります。

このようにMS付加は現在の園経営の要諦となり、
白梅幼稚園の優れた経営戦略のなかにも、しっかりMS付加が加味されていて、
自園のPR/広報に強力なドライブをかけている
のです。

昨日(4/22)、白梅幼稚園の高橋理事長先生を
ゲストにお招きしたセミナーを実施し、大変な反響をいただきました。
オンデマンド配信をご用意していますので、
ご興味のある方、地域一番園化戦略を実践したい方は、
是非、オンデマンド受講をご検討ください。

因みに、MS付加のマンダラートをこちらに付け加えますので、
自園に合ったMS付加の事業検討にお役立ていただければ幸いです