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「マズローの欲求段階」と「需要と供給」の関係
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・供給過多になったことで、 保育園を緊急性だけで選ぶ時代ではなくなった
・ 子ども中心から家族や親子といった言葉がキーワードになってきて いる
・ その背景には幼保施設の供給過多と共働き世帯の増加が影響してい る
・また保護者にとっての「便益」 が園を選ぶ際の重要な視点になっている
最近の傾向として、園児募集で成果を出している園は
「こども」という軸だけではなく「親」「家族」 といった軸に触れ、
情報発信をしている傾向があります。
皆様の園ではホームページや各種ツールなどの発信内容はいかがで しょうか?
このような傾向が見られる理由としては
「マズローの欲求五段階説」と
「需要と供給」が大きく関係しており、
供給過多の状態が進むことによってその傾向が強まっています。
ちなみに需要とは求められている数、
供給とは提供されている数のことです。
供給過多とは求められている数よりも、
提供されている数のほうが多い状態のことを言います。
幼保の業界では
子どもの数よりも、幼保施設のほうが多い状態となり、
供給過多の時代になっています。
マズローの欲求五段階説と需要と供給の関係を
図式化すると以下のようになります。
![](https://www.gclip.net/wp/wp-content/uploads/2023/08/3a4f695a458cb0ac0aceaa2eb13ac2dd.jpg)
例えば、需要が大きければ、
保護者は「どこでも良いから預けたい」という緊急性を前提にして
幼保施設を選択することになります。
一方でマズローの欲求五段階説で言うと
生理的欲求や安全欲求という欲求が
緊急性のある欲求にあたります。
そのため、需要過多の場合の保護者の欲求は
生理的欲求や安全欲求に近い傾向があります。
逆に供給が大きければ、施設が余っている状態になり、
保護者が施設を選ぶことになります。
そうなると、
「どうせ預けるのであればより良いところが良い」
という不急を前提にした選択に変わります。
今、幼保業界は供給過多であり、不急を前提にした選択が可能です 。
マズローの欲求五段階説で言うと、
社会的な欲求や承認欲求、自己実現の欲求がありますが、
これらの欲求は緊急性の高い欲求をクリアした後に抱く欲求であり 、
いわば不急の欲求です。
そのため、供給過多の場合は、
社会的な欲求以上の欲求を軸にして
幼保施設を選択する傾向が強まります。
特に最近では働いている保護者がほとんどになりましたので、
ある一定の社会的欲求や承認の欲求を
満たしているケースが多くなってきており、
自己実現の欲求が重要になりつつあります。
上記内容を簡単にまとめて言い換えると、
「マズローの欲求五段階説」と「需要と供給の関係」、
また、「共働き世帯が増加」しているという背景の中で、
緊急性をベースにした園選びではなく、
保護者が園を選ぶことができる時代になり、
「子どもはもちろんですが、私たちはどうなのか?」
という視点を持った保護者が増加傾向にあるということです。
特に幼稚園においては子どもを中心に置き、
幼児教育に力を入れていらっしゃると思います。
これはとても大切なことであり、
今後もこれが独自の価値として保護者に伝わることは
絶対的に大切なことです。
しかし、近年はこの独自の価値だけではなく、
「便益」の視点も重要になっています。
便益とは保護者にとってのメリット、特に利便性のことです。
「子どもは大事。でも自分も大事」
これが共働き世帯が増加している現代の多くの世帯の価値観であり 、
多様化している現代において、 増加している価値観なのではないでしょうか?
「親」「家族」「便益」などのキーワードは
時代背景を踏まえるとこれからの園児募集で重要なキーワードです 。
少子化によって子どもの数が減少し、
共働きの増加、 保育所の増加によって園児募集が低年齢化しています。
来年度には子ども誰でも通園制度がスタートするかもしれません。
時代が大きく変化をしている中で、
変化させてはならないものは変化させず、
変化させなくてはならないものは変化させることが大切です。
ぜひ幼児教育を絶対的に磨きつつ、
少し幅を拡げていくということにチャレンジしていただければと思 います。
来年度に向けた園児募集も佳境に入っていきます。
ホームページや各種ツール、
入園説明会でのメッセージなど、
ぜひ改めて検討をしてみてください。