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【 新制度をハックせよ! 】

【 令和5年度から本格的な運用開始!処遇改善等加算Ⅱについて 】Posted by Hayashi

 

 

1か月ほど前に
施設型給付の幼稚園、認定こども園に係る、
処遇改善等加算Ⅱの
研修要件についての通知がありました。

この通知は
現在施設型給付で運営されている皆様はもちろん、
これから施設型給付に移行するという皆様にとっても
重要な情報であるため、
今回はその通知内容について
簡単に共有させていただきます。

現在、
私学助成制度の幼稚園運営をされている園でも、
本加算がどのようなものなのかを
知っておくことは重要になりますので、
ぜひ一度お目通しいただき、内容をご理解ください。

そもそも処遇改善等加算とは、
教育・保育に携わる
人材の確保及び資質の向上を図り、
“質の高い教育・保育を安定的に行っていくため”
の加算であり、
職員の待遇面を改善していくための加算です。

処遇改善等加算はⅠ・Ⅱの2つに分かれており、
処遇改善等加算Ⅰは
職員の平均経験年数(平均勤続年数)に応じた
昇給に要する費用への加算と、職員の賃金改善、
職員のキャリアアップへの取り組みのために要する費用への加算であり、
要約すると
「勤続年数に応じて、
 昇給をきちんとしていくための加算」
です。

一方、処遇改善等加算Ⅱは
「技能・経験を積んだ職員への
 追加的な人件費としての加算」
です。

大切なので、
ここの2点をしっかり
記録と記憶で残していただきたいのですが、
処遇改善等加算Ⅰは”基本的な昇給”を
目的としているのに対し、
処遇改善等加算Ⅱは
”技能や経験に応じた追加的な処遇改善”を
目的としています。

今回通知された内容は、
「これまで猶予期間とされていた
 対象職員の研修修了要件が必須条件となり、
 それをクリアしていることが
 処遇改善等加算Ⅱの取得条件となる」

というものです。

つまり、今までは対象職員の研修修了要件は
”猶予期間”とされていたため、
研修を修了していなかったとしても
処遇改善等加算Ⅱが与えられていた、
ということになります。
それが令和5年度から研修修了していないと
この加算の対象にならなくなります。

さて、この研修修了要件ですが、
認可保育所や小規模保育所などについては、
「都道府県や都道府県が指定をした機関による
 保育士等キャリアアップ研修を受講すること」

そして、
幼稚園、認定こども園については、
「基本的には都道府県が研修実施主体として
 認定した機関による研修を受講すること」

が必須条件になります。

おそらく今後、
研修実施主体として、幅広い機関の研修が
認められていくことになると思いますが、
まずは念のため、
現段階でどの研修が認定されているものなのか?を
各市区町村を管轄する行政の担当課にご確認ください。

また、処遇改善等加算Ⅱの対象となる職員の
職務内容と配分額によって取得しなければならない
研修修了数や時間も変化しますので、
このあたりは注意深く再度資料を確認して下さい。

処遇改善等加算Ⅱは、
「配分しなければならない人数が決められている」
と同時に、「全額職員に配分するルール」
になっていますので、特に注意が必要です。

そのため、配分しなければならない人数と金額分は
その要件に従って、研修を修了していなければなりません。

例えば月額4万円を配分する職員については、
令和8年までに4分野のキャリアアップ等研修、
または60時間の研修を修了している
ということが条件となりますので、
研修計画を作成し、
極めて計画的に研修を行ってください。

処遇改善等加算Ⅱの詳細は以下のURLの
「技能・経験に応じた保育士等の
 処遇改善(処遇改善等加算II)に係る研修修了要件等について」
という箇所にある資料をご覧いただければと思います。

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/jigyousya.html

今回の通知と内閣府へのヒアリングの結果、
現段階で、以下の懸念点が考えられますので、
特に現在処遇改善等加算Ⅱを取得されている皆様は
ぜひご確認いただければと思います。

・新卒職員については研修修了要件があることから
 実質配分が困難であること
・研修修了している職員が退職することで、
 処遇改善等加算Ⅱの要件をクリアすることが
 困難になる可能性があること

上記を頭に入れたうえで
計画的に運用していく必要があります。

複雑な制度ではありますが、
まずは内閣府の示す内容をしっかりと確認し、
自園に合う形で運用していくことが重要です。

研修修了要件は
令和5年度から運用が開始されますので、
来年度(令和4年度)は
研修ができる猶予期間として残されています。

ぜひ一度内容をご確認いただき、
計画的に運用をしていただければと思います。