DIARY

【 令和マーケティングを考える 】

Hungryこそ最高のスパイス 】Posted by Shidara

 

 

これまでなんとなく時間が来たので食べる。
という生活を送ってきましたが、
最近、
空腹を感じてから食べるようにシフトしたところ、
“ありがたみ”を感じる機会が増えました。

飽食の時代と言われずいぶん経ちますが、
残さず食べるというかつての”常識”は徐々に変化し、
残さないように選ぶという風潮に変わってきました。

この風潮は食以外の場面でも
同様のことが見受けられます。

生活必需品にしても嗜好品にしても、
消費者は多量な多品種の中から選べる状態にありますし、
幼稚園や学校、
就職先もやはり選べる状態にあります。
選択の自由が保障されているという話とは別に、
どの業界も過剰供給にあることで、
買手が有利な状況になるのが今の日本です。

これを抑制するためには2つの方法があります。
ひとつは、需要を拡大することで、
もうひとつは、供給を縮小することです。

日本のように人口減少の伴う縮小社会においては、
多くの既存サービスの需要を拡大することは難しく、
多くのサービスは供給を縮小する方向への転換が主流になります。
新制度における傾斜配分に代表されるように、
供給量を減らしても
十分に売り上げ、利益が出る体質への改善・見直しが
安定的な経営軌道確保のうえでは大切です。

さて、今この考えが主流なのかはわかりませんが、
社会人になりたての新人が
経済的に自立していく過程の比喩として

「魚を与えるのではなく、魚の捕り方を教える」

という表現があります。

“与える”ではなく、“捕り方を教える”
というプロセスは、
経済的に自立していく上でとても大切な視点です。

ただ、今の日本のように人手不足で、
働き口が多様に広がる超成熟市場においては、
本当にその魚を欲しているのか?
魚の捕り方をマスターする必要性を感じているのか?

このあたりを丁寧に確認する必要があります。

物価が安定し、社会保障が充実しているので、
そこまで必死になって働かなくとも、
生活費を安価に抑えることができれば、
即座に食べることに困ることもない
という環境もまた、
魚の捕り方を
必死にマスターする必要はないのではないか?

という考えに至る原因になりえます。

となるとやはり、
“魚を欲する状況”を創り出すことが必要です。

人々の消費行動は時代の流れに応じて変化する、
という話を前回のメルマガでしましたが、
”魚を欲する状況”を創りだすための
「欲するもの(意味・理由)」が
時代の流れとともに変化している
ということです。

昨年と比べて今年の採用が上り調子な幼稚園では、
SDGsを全面に出しているわけではありませんが、
自園での持続可能な働き方について
次の3点を専用サイトで掲げています。

1.就労のコンセプト(働くの定義)
2.地域に良い持続可能な環境づくりへのチャレンジ
3.どんな人と一緒に働きたいかの明確化

就職の入り口に立つという、
どちらかと固くなるイメージを払しょくするため、
これらを少しだけ崩して、
ストーリー仕立てにして伝えています。

茨城県牛久市にある
椎名夢学園さんの採用専用ページです。
↓↓↓
https://peraichi.com/landing_pages/view/kobatorecruit

自園のコンセプト、持続可能な環境、
こんな方と一緒に働きたいというメッセージを
ストーリーが上手に整理されています。

もちろん、このサイト整備だけで
うまくいくわけではありませんが、
ここで”魚の捕り方をマスターしたい!”
という“空腹感”を育むためのスパイスとしての役割
を果たしています。

制度移行や保育所の新設も落ち着き、
採用市場も徐々にピークアウトしていきます。

簡単に次があると言う幻想を捨て去って、
いまを力強く生きるための素地を
育てていく意思を持った方との
マッチング率を高めるための施策を
たてていきましょう。

そんな園がこれからの時代は必要とされるはずです。