DIARY

【 “教える”トレンドの変化を体験する 】

【 プラスサンドイッチ方式の指導 】Posted by Shidara

これといった趣味もない私ではありますが、
実はプライベートで細々とスキーを続けていたりします。



それも、取り立ててのめりこんでるとか、
一生懸命目標をもってシーズンごとの
滑り込みをしているわけでもないのですが、
小学校入学と同時に
年の離れた従兄弟に連れられて、
始めたのがきっかけで、
かれこれ38年になりますでしょうか、
今でも毎シーズン1~2回程度ゲレンデへと赴きます。

さて、先の休日に、日本屈指の広さを誇る
新潟のかぐらスキー場の田代エリアにある、
田代スキースクールにて久方ぶりにレッスンを受けました。

はじめて有料のスキーレッスンを受けたのが、
13歳(中学1年生)の時でした。

時はバブル真っただ中で、
スキーヤーであふれかえったゲレンデに、
リフト待ちで長蛇の列ができるほどのスキーブームで、
レッスンに入れば40~50人のレッスン生でごった返し、
イモ洗い状態だった記憶が鮮明に残っています。

指導者も全員を把握するのは困難だったと思います。

故に、
指導する側はレッスン生を上手く滑れるかそうじゃないか、
この2択でしか判断していなかったように思います、指導というよりは。

デモンストレーションをみて順に滑走するのですが、
それに近い滑りができないと、ハイダメ~といった具合に、
一刀両断され、しょんぼりしてゲレンデを後にするという、
実にツマラナイ時間だった記憶があります。

そんなこんなで長いことスクールとは疎遠でしたが、
友人の勧めで田代スキースクール校長直々の指導を受けました。

受けてびっくりしましたが、
この校長先生、なんと女性なんです!
決して性差を意味しているわけではありません。
私自身校長はおろか、
女性インストラクターと出会うという経験が初めてで
とても驚いたということなのです…。
すみません、経験が乏しいもので…。

で、中1時代の苦い思い出がありますので、
スキー指導自体がそんなに楽しいものでもないと思っていた私は
なおさら驚いたのですが、この先生…、
教え方というか、言葉がけが目から鱗レベルでとても上手なんですね!
基本的にはほめて伸ばすタイプの先生ですが、
直すべき癖や個所の指摘もきちんとしてくれます。

ポイントは、マイナスの伝え方にあります。
例えば、この先生はこんな具合に指導します。

①設楽さん、いいですね~。(←承認する=+)

②ターンの時に腰をぐるっと回転させる癖があるんですけど、
スキーのずらしを意識して、腰を回さないようにすると、
さらにいいですよ!(←指摘+アドバイス=-)

③器用な足さばきで、しっかりターンできているので、
次はずらしを意識してみましょう。(←褒めて次の行動促進=+


といった具合にアドバイスをくれます。
プラスとプラスでマイナスを挟むので、
「プラスサンドイッチ方式」と呼んでいます。
更にすごいのが、10人のクラスだったのですが、
一人一人の滑走をすべてビデオに収めて、
その場で自分がどんな滑走をしたのかを
確認できるようにしてくれていました。(←指導内容の可視化)

自分の滑りを確かめたうえで、
アドバイスをいただくので、実によく理解できます。

30年前の嫌な記憶が塗り替えられるほどの
素敵な指導っぷりに脱帽です。

何より驚いたのが、
GCLIPが定義するマーケティング、
「相手に気持ちよく次の行動に移ってもらう」
を、体現していたことです。

そりゃー人気があるのが頷けます!

思い返せば、20年以上も前の指導は、
学校でも社会でも、見て学べ!というのが主流でしたが、
今はそのやり方では通用しませんものね。
相手が怖くて仕方なく次の行動をするという、
叱り飛ばすタイプの“圧政指導”も消えてなくなりつつあります。

いま大事なのは、納得のいく対話を通した指導なのだと、
今回のレッスンを通して改めて感じたわけです。

大いに参考になるスキー指導で、
楽しかったし、ためになったし、
何よりも上達を実感することができました。

5月中はレッスンしているみたいですので、
スキーのみならず、指導方法のヒントを得られるので、
足を運んでみてください!

—-小野寺由美子先生情報——————–
田代スキー・スノーボードスクール
校長 小野寺由美子 先生
http://tashiro-school.com/newpage1.html