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新年あけましておめでとうございます
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<本文のポイント>
・2026年の箱根駅伝に見る青学大の強さ
・シード権獲得の分水嶺はどこにあるのか?
・ビジネス”アスリート”が努力以外にすることとは?
<本文>
2026年が皆様にとって輝かしい一年となりますことを祈念しつつ、
多様な個性がそろうGCLIPもそれぞれが輝く年になるよう精進して参ります。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、新年一発目ということで、恒例の箱根を振り返ります。
やっぱり今年も青学大は強かった!この一言に尽きます。
昨年10時間41分20秒という大会新記録を打ち立て、
長距離業界に激震を走らせた青学大ですが、
史上初2度目の3連覇達成という偉業もさることながら、
今年はなんと前人未踏の30分台に突入しました。
近年の長距離の記録更新には目を見張るものがありますが、
一体どこまで記録が伸び続けるのか、楽しみでなりません。
「昨年、最高に強かった青学を打ち破る!」
ここに青学大の強さの秘訣を見出しましたが、
もはや戦っているという感覚さえないのかもしれません。
1区で16位(トップとの差1分20秒)と出遅れた青学大は、
徐々に追い上げはするものの往路最終の5区黒田選手への襷リレーは5位、
しかも、トップで襷リレーをした中央大とのタイム差は3分24秒と
普通に考えれば、往路優勝が絶望的なレース展開。
ここで一昨年、昨年と花の2区で7人抜きを実現した「黒田朝日」が、
期待感も最高潮に到達するタイミングで登場します。
そしてテレビの前の全視聴者が釘付けになるような驚異的な走りによって、
「シン・山の神」となる見事な逆転劇によって往路優勝を飾りました。
思えば、2009年に東洋大が初優勝を飾ったときも
今井正人さんの後継として「シン・山の神」となった柏原竜二選手は
小田原中継所で4分58秒あったトップ早稲田大学との差を覆し
極めてセンセーショナルな優勝劇が演出され、
その後長らく人々の記憶に残り続けることとなりました。
学生スポーツの最高峰に位置づけられる箱根駅伝。
勿論、各校チーム一丸となって目標を定め、真剣勝負しているわけですから、
安易な憶測は慎まれるべきだと思いますが、
黒田選手のレース後のインタビューにおける
「シン・山の神」「自分の最も得意なところで(早大・工藤選手)を抜こうと思った」
といった発言から推測されるのは、1区のブレーキでさえ想定内のアクシデントで、
そこから徐々に巻き返す「物語」をあらかじめ描いていて、
これまでの箱根駅伝史上最も記憶に残る2009年の逆転劇の見どころ、
「4分58秒差」「9人抜き」「下りのデットヒート」といった”物語り”を
より記憶に残る形で伝えることで、正月から最高の視聴コンテンツを届ける。
そんな目論みを実現し、駅伝を極上のエンタメに仕上げることが、
青学大の強さの秘訣なのではないか?と勘ぐってしまうほど見事な勝利でした。
箱根駅伝は第55回大会の1979年からテレビで放映されるようになったと言います。
当時はテレビ東京が放映していて、一部録画、ゴール前のみ生中継という形式でしたが、
1987年の第63回大会より日本テレビが放映権を取得して以降、
ヘリコプター中継の投入、山間部の中継車・中継地点の大量投入、
選手背景・家族・監督のストーリー取材、
そして、順位・タイム・差を“実況で可視化”するなど、並々ならぬ投資を重ね、
全国ネットの完全生中継という今の形に仕立て上げました。
ココに日テレの「物語」があると言われています。
そもそも駅伝とは長距離のリレー走という単調なスポーツです。
駅伝というこの単調反復スポーツを、「物語」「努力」「継承」といった
“多層的な物語装置”に変換したコンテンツ要素を加えることで、
単調な映像をブラウン管の向こうに届く「感動」に昇華したという
日テレのコンテンツ制作の「物語」が隠されています。
個人を徹底的に取材して得た豊富な知識から繰り出される選手の「人生物語」は
画面に映し出される苦しい(楽しい)表情に幾多の付加情報を与えることで、
お茶の間を沿道での応援団と同化し応援せずにはいられない状態を作り出します。
区間ごとに変わる先導の白バイ隊員の紹介も”箱根駅伝との関連性”が含まれます。
過去の走者がどんな思いで走り抜けたのかが紹介される「今昔物語」は、
しっかり編集された視聴者の胸を熱くするコンテンツです。
大手町から始まり、商業地⇒住宅地⇒海⇒山、
同じコースだけど、5区、6区などは特に往復で違う景色となる風景の物語、
敗戦翌日の練習から始まり、夏合宿、秋の予選会など、
2日間の往復ではなく、365日、1年の積み重ねが2日間に凝縮される時間の物語、
そして、OB,OGだけではなく、地元や出身高校を紹介することで、
見る側が関係者になる視聴者参加型の物語として仕上げられています。
このように「物語」が番組そのものを魅力的にしている箱根駅伝ですので、
常勝チームの勝ち方に「新たな物語」が付加されることによって魅力は倍増します。
箱根史上1区から10区迄1度も首位を譲らないまま優勝したチームは
複数あるそうですが、それはそれで盛り上がりに欠ける展開だったと思います。
近くは2016年の第92回大会で2度目の優勝を飾る青学大は
1区から10区迄1位のまま優勝しています。
前年の初めて箱根を制したルーキー校の2年目の行方だっただけに
盛り上がった記憶はありますが、やはりライブでの勝利へのストーリーに欠けます。
青学大の今大会は、
「山登りの大逆転」「史上初2度目の3連覇達成」「前人未踏の10時間40分切り」
これらの「物語」をチーム戦略に加えた「輝け大作戦!」だったのかもしれません。
偉業を成し遂げた青学大の選手と原監督、改めておめでとうございます。
さて、勝者がいれば敗者は必ず存在します。
前回大会で10位以内でゴールした大学はシード権を獲得し
自動的に次の大会に出場することができます。
出場における経済効果が数千万から数十億とも言われる箱根駅伝ですので、
各大学の強化が進み、シード権の獲得も大変難しくなってきています。
今大会では予選会から上がってきた10校の内、
3位と躍進したの順天堂大学と10位の日本大学の2校が来年のシード権を獲得し、
新興勢力で2年連続9回目の出場経験を持つ東京国際大学と
20年連続シード権を獲得していた東洋大が”まさか”のシード落ちとなりました。
順天堂大学は出場回数67回、優勝回数は11回にも上り、
日本大学は出場回数92回、優勝回数12回の経験をもつ伝統校であり強豪校ですが、
本選では長いことシード権を獲得することができずにいました。
20年連続シード権を獲得し、84回の出場、4回の優勝経験を持つ東洋大は
今大会で14位に沈み来年は予選会からの出直しとなりました。
ここに箱根駅伝で”勝つこと”の難しさがあらわれているように思います。
昨年も少し触れましたが、東洋大が近年優勝争いに食い込めない理由のひとつに、
「目標の下方修正」があると考られます。柏原竜二選手(当時)の
センセーショナルなデビューと共に初タイトルを獲得後、
2011年に早稲田大学に僅か21秒差で敗れた年を含め4年間はまさに東洋大の時代でした。
2014年に酒井監督が「その1秒をけずりだせ!」という書籍を世に出しますが、
翌2015年の第91回大会から青学大の時代に突入し、4連覇を果たします。
東洋大のこの4年間の戦績は3位、2位、2位、2位とそれは素晴らしい結果ですが、
すい星のごとく現れたこの青学大というチームの陰にすっかり隠れてしまいます。
箱根でひとつの時代を築き優勝を嘱望されているチームの前に立ちはだかる壁として、
青学大というチームはあまりにも大きすぎたのかもしれません。
東洋大は一方で、その後2019年の第95回大会までのあいだ、
継続して3位以内に入賞するという快挙を成し遂げています。
そして、その年の年末に差し迫り、そろそろ箱根に意識が向き始める11月下旬に
酒井監督が2冊目となる書籍「怯まず前へ」を世に送り出します。
出版社側からの勧めもあっての戦略的なリリースだと思いますが、
この書籍はタイミング的にも内容的にも「?」がつくリリースだったと思います。
タイトルこそ首位奪還を彷彿とさせていますが、
内容は、「過去11年連続で3位以内に入賞している」ことに終始しており、
挑戦者というよりは、3位以内に安堵している感じが否めません。。。
年が明けて第96回大会で東洋大は翌年のシード権ギリギリの10位に沈みます。
それ以降は、「○○年連続シード権獲得」が東洋大のスローガンとなり、
結果は3位⇒4位⇒10位⇒4位⇒9位⇒そして悲劇の14位。。。
東洋大や酒井監督が如何に弱体化したか?ということを論じたいわけではないので、
読者の皆様には誤解なきよう読み進めていただきたいのですが、
優勝する力のあるチームの指揮官が目標を下方修正したと”思われるような素振”をすると、
瞬く間に伝播しチームは徐々に弱体化していく可能性を示す例として取り上げました。
勿論、最も悔しい思いをしてるのは、
この正月の2日間のために一年間のほとんどを犠牲にして練習に費してきた
選手やその家族、チームスタッフ、監督自身だと思います。
ただ、現在では各大学にスポンサーもつき、紅白歌合戦と並ぶ約30%視聴率を誇る
国民の注目が集まる営利性の極めて高いスポーツ大会です。
各大学の監督もこの言葉をよく使いますが、
「求められた仕事をしっかりしてくれた=役割を果たす」は最低限の条件となるでしょう。
さて、企業や学校などの組織においても同じです。
自分が求められている仕事(役割)とはいったい何でしょうか?
求められている仕事は、誰が、いつ、何を求めているのでしょうか?
GCLIPで言えば、
①コンサルティングをもとめてくださるお顧客が
②相手が望むできるだけ早い段階で
③募集、採用、制度関係のコンサルティングニーズ
(近年多様化していますが)に応じた望ましい結果が求められています。
我々はその結果に対してわき目も振らず、最大の努力をすることで、
GCLIPという会社を、
業界からより期待の集まる企業に育て上げることです。
5区を走り終えた黒田選手が「途中のことは覚えていない」「意識が飛びそうだったので」
と言っていましたが、彼らの目標は優勝でした。
優勝するためにこの一年間誰よりも努力したという絶対的自信が
3分24秒の大逆転劇の裏側にあるのだと思います。
これまで走ってきた距離30000km
浴びてきた雨2000l
上った坂道ビル5000階分
ともに走ってきたシューズ100足以上
中学、高校、大学いつも仲間がいた
誰よりも早く起きて、誰よりも練習した
あの日々を強さに変えていけ
継続的な努力こそが強さの源になり得ることを伝える
ASICS社のCMがとても良いです。
余談ですが、今年の箱根ではシューズの勢力図も変わりました。
アディダス(青学大のメインスポンサー)が31.9%
次いで、アシックス、ナイキは3位に転落しています。
チームもそうですがシューズにも栄枯盛衰があります。
メーカーもまたトレンドを抑え、
ユーザーに選ばれる状態を維持するための努力が必要です。
努力は必ずしも報われるわけではありませんが、
努力しなければ報われることはまずありません。
今のような時代だからこそ、
目標を下方修正するのではなく、
努力を大切に実践していきたいと思います。
2026年も、努力して、努力して、努力して、そして努力して、
ステキな1年を創り上げてまいりましょう!
