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No No Girlsから学ぶ
「失敗したくない」若者へのマネジメント術
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<本文のポイント>
・No No Girlsのヒットから見る若者の「理想の上司像」
・「失敗したくない若者」が増えているワケ
・「失敗したくない若者」の心に届くマネジメントのポイント
昨年大ヒットしたガールズグループ「HANA」をご存じでしょうか。
2025年1月のデビュー以降、
紅白歌合戦への出場やレコード大賞最優秀新人賞の受賞など、
破竹の勢いで躍進しているグループです。
HANAは、
ガールズグループとしてデビューしたい人を公募し、
オーディションを通してメンバーを決定する番組
「No No Girls」から誕生しました。
オーディション番組「No No Girls」、
そしてそこからデビューしたHANAのプロデューサーを務めたのは、
若い女性を中心に高い支持を集めているアーティスト・ちゃんみなです。
番組はYouTubeやHulu(日本テレビ系動画配信サービス)で配信されており、
視聴者層も若者が中心だったことから、
SNS上では多くの感想が投稿されました。
SNS上で注目されたのは
参加者たちのパフォーマンスだけではありません。
彼らのパフォーマンスを導くちゃんみなの指導スタイルにも
多くの関心が集まったのです。
SNS上の声や、私自身が視聴した感想も踏まえると、
若者たちに彼女の指導スタイルが支持される背景には
単なるアーティストとしてのカリスマ性だけでなく、
若者の心理を踏まえた関わり方にあるように感じます。
実は、彼女の指導を分析すると、
イマドキの若者をマネジメントする上で
参考になる要素が数多く含まれているのです。
ちゃんみなのマネジメント術については後述しますが、
その前にまずは近年現場の先生方から上がる声から、
現代の若者の傾向について解説します。
研修などの機会で各園のマネージャークラスの先生方に
現場の若手についてのお悩みを聞くと、次のような声がよく上がります。
・今の若手は失敗を恐れるあまり身動きが取れない。
・今の若手はわからないことを自分から聞きにいけない。
・今の若手は自分なりに工夫して挑戦することができない。
マイナビの調査においても、
「何かに失敗することに強い抵抗を感じる」
という質問項目に「あてはまる(非常に+まあ)」と回答した割合は、
20代前半・後半ともに4割前後となっています。
「非常にあてはまる」という回答は、20代前半は15.8%と、
50代後半の4.8%の3倍以上になりました。

現場でのよくあるお悩みは、全国的にも見られる現象のようです。
失敗を恐れるあまり挑戦できない、
わからないことを自分から聞きにいけないといった若者と
どのように関わればよいのでしょうか?
まずは彼らの心理を知り、
指導のポイントを考えていきたいと思います。
電通若者研究部では、
現代の若者を「自己肯定感が揺さぶられやすい世代」と捉えています。
彼らは、自信を無くすとき・自己肯定感が高まるときの両方において、
「他人からの評価」が軸になっているようです。
電通が実施した調査では、
SNSを見ていて自分に自信を無くすことがあると回答したZ世代は
高校生・大学生・社会人1~3年目のどの年代においても50%を上回っています。

また、調査ではその理由も収集しており、
「他人と比べたときに無力感に襲われる」
「劣等感」
などの回答が多かったそうです。

一方で、自己肯定感が上がるときも
「褒められた時」をはじめとする
他者からの良い評価を得られた時のようです。

つまり、彼らの自己肯定感は他者評価と強く結びついており、
場面によって高くも低くもなる、
非常に不安定なものであると考えられます。
理由はいくつか考えられますが、この調査を実施した電通若者部では、
ひとりひとりの個性を尊重するという教育を受けてきた一方で、
個性は周囲に認められてこそ価値があるという意識が生まれやすくなり、
結果として自分の内側から湧き上がる自信よりも
外からの承認に依存しやすくなっているのではと論じています。
入浴を面倒に感じて入浴せず寝る行為を繰り返す自分を
「風呂キャン界隈(風呂キャンセル界隈)」と呼んだり、
コミュニケーションが苦手な性格を「陰キャ」と自称したりする流行語にも、
あらかじめネガティブな側面を自分から提示することで、
他者評価によるダメージを防ごうとする心理が表れています。
こうした若者の「自己肯定感が揺さぶられることへの恐れ」を理解すると、
若者が挑戦や失敗を避ける理由も見えてきます。
つまり、今の若者にとって、
人前で失敗したり、誰かから指摘されたりすることは
「成長のきっかけ」ではなく、
自己肯定感が下がる出来事なのです。
ここで改めて、ちゃんみなのマネジメント術について
話を戻します。
ちゃんみなの指導スタイルについて、
たとえばX(旧Twitter)では、
次のような声が見られます。
「人間力が素晴らしい。
改善すべきところを的確に指摘しつつ、
決して相手を落ち込ませたり、否定したりはしない。
モチベを上げ、強みを引き出す、素晴らしい指導力」
「部下が仕事で躓いたらまずは上司がやって見せる
→できないなりにでも部下に反復させ失敗を許容し決して咎めない
→正しいタイミングで適切なフィードバックを繰り返す
→成功体験を積ませて手柄を取らせる
ちゃんみなの指導力恐るべし」
「ちゃんみなの上司力が25歳とは思えないレベルで毎回震える」
「ノノガ(No No Girlsの略称)でちゃんみなから学ぶマネージャーのあるべき姿
①基本ご機嫌(話しかけやすい)
②講評は肯定ベース、改善点はあくまでこうするとbetterという姿勢
③但し足りない点は事実としてきちんと指摘する
④お手本を示せる技量と余裕、経験」
※参考動画
指導シーンの一部
https://youtube.com/shorts/7OsxJz69L24?si=6jBW77YnCYgosc4J
https://youtube.com/shorts/WdU6nMkqwf8?si=Kt-9pdglPH1GWi0I
挙げられているポイントをまとめると、
下記のような点があげられます。
・改善点は端的かつ的確に伝える
・失敗を咎めない
・機嫌によって話しかけやすさが変わらない
・フィードバックは肯定から始める
・自らやって見せることで、尊敬と適度な緊張感を保つ
彼女の指導スタイルの特徴は、
イマドキの若者特有の
「タイパ思考」「自分らしさへのこだわり」「寄り添いを求める」
などの心理を押さえている一方で、
的確に、緊張感をもって「指導」を行う点にあります。
“否定しない上司”ですが、
“甘くない上司”と言えるでしょう。
彼女の指導スタイルを参考に、
中でも「失敗したくない」若者への指導にあたっては
次の4点は特に意識できるポイントです。
① 寄り添いながらも、「上司」としての背中を見せて適度な緊張感を保つ
② フィードバックは肯定をベースに、指摘は端的かつ簡潔に
③ 失敗を咎めない
④ 機嫌によって話しかけやすさ・指導を変えない
「失敗」を過剰に落ち込ませないことと、
「指導を受けている」という事実を示すための緊張感を
両立させることが必要です。
園内の「失敗したくない」若手先生方の指導に悩まれている先生方は
参考にしていただければ幸いです。
GCLIPでは、
2月24日と3月25日に
「新時代の組織改革セミナー」を2部にて開催します。
2月24日は若手を直接指導するNo.2の先生方向け、
3月25日は若手向けの講座で、
両日セットで受講いただくセミナーとなっています。
2月24日のNo.2の先生方向けセミナーでは、
若者心理を踏まえた具体的で実践的なマネジメント手法を解説します。
また、3月25日の若手向け講座では、
若者特有の考え方に寄り添いながら、社会に対する誤解を解き、
経営者の皆さまがお悩みの点や、基本的な社会人スキルについても
客観的にお伝えする内容を予定しています。
詳細は、下記よりご覧いただけます。
https://www.gclip.net/seminar/6045/
受講方法など分かりにくい点がございましたら、
お電話またはメールにて、お気軽にお問い合わせください。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
