DIARY

【 メルマガ 0105 】

【 箱根駅伝に学ぶ適応力と育成力 】Posted by Shidara

 

2020年はコロナで始まり、コロナ禍となり、コロナで幕を閉じる、
見えないウィルスと戦い続けた一年でした。

予定されていた東京オリンピックも本年に延期となり、
各種イベント、行事は規模の大小問わず、
縮小または、開催の見送りを余儀なくされました。

振り返るのも辛いという方も少なくないと思います。
私たちもルールに則り、自分たちにできることを、
粛々と進めた、そんな一年となっていました。

年末、林勇希が筆を執った2020年最後のメルマガでは、
「2020年は(コロナ禍は)不確実で不安定な年でした、
 しかし、2021年は2020年を踏まえた計画が立てられます」

とメルマガの出だしで言及し、計画の重要性に触れました。

2020年を踏まえて2021年の計画を研鑽し、
募集も採用も自園にとって理想のカタチに収めてください。

しかし計画とは一方で、
状況に応じてよりベターな方へ柔軟に変更することも必要です。

今年の箱根駅伝はまさに計画変更の重要性を説く大会になったと思います。

ざっとおさらいしますと箱根駅伝とは、
関東学連(関東学生陸上競技連盟)に所属する大学のうち、
昨年の同大会で10位以内の成績を収めたチーム10チームと、
秋の予選会で勝ち抜いた上位10チームの20チームに加え、
本大会出場が叶わなかった
予選会参加校の成績上位者10名(1校1名)で構成される
関東学連選抜チームの計21チーム

年明け2日、3日の2日に渡り展開される大学駅伝大会です。

コースは、
読売新聞社前(東京都千代田区)ー芦ノ湖(神奈川県足柄下郡)間、
往復217.7Km( 2日:往路5区間107.5Km、 3日復路5区間109.6Km )を
10名のランナーで襷リレーする新春最大級の学生スポーツ大会で
今大会が第97回ですので、約100年続く歴史ある大会です。

ちなみに、「世間の注目度」という視点で見ますと、
視聴率は1995年の第71回大会以降は例年30%前後と好調で、
今大会からは選手が着用するユニフォームに
スポンサー広告が施されるようになるなど、
実に世間の関心が高い新年のビックイベントということがわかります。

近年は青山学院大学が群を抜いて強さを誇り、
下馬評では常に優勝候補の一角として目されています。
青山学院大学率いる原晋(はら・すすむ)監督が広報塔となり、
メディア露出、出版、講演などを通して、
自チーム強化の斬新な在り方とやり方を伝えていることで、
駅伝ファン(=箱根ファン)が増えているとも言われています。

今年は3強と呼ばれた青学大、駒沢大、東海大が
それぞれ、12位、3位、5位と往路の結果が振るわず、
大方の予想を裏切って出場回数僅か4度、
前回大会で初めてシード権を獲得した創価大学が
2位東洋大に2分14秒の差で往路優勝を飾るという、
何とも電撃的な幕開けとなりました。

この創価大は復路も快調に首位の座を守り抜き、
最終10区のラストkm地点(全体の98%地点)まで首位を守り続けましたが、
名将大八木弘明氏率いる、“平成の常勝軍団”の異名を持つ
名門駒澤大学の怒濤の追撃に敗れ、2着となりました。

駒大10区石川選手が襷を受けた時、1位創価大とのタイム差は3分19秒です。
この差を単一区で覆し優勝したのは戦後初の快挙です。
駒大大八木監督の勝ちに対する執念が見せたまさに奇跡と言えそうです。
運営管理車から飛ぶ“大八木檄”「男だろっ!」も観る側の魂を揺さぶりました。

往路12位と沈んだ青学大は復路で8つ順位を上げ、総合4着でゴールしました。
これも前年覇者の誇り、王者青学大の底力は本当に見事でした。

昨年総合10位と沈み、復活をかけて挑んだ東洋大も
粘りの走りを見せ総合3位と強豪校らしい結果をつかみ取りました

この混戦の裏側にはエントリー変更のルールが変わったことが
ひとつの大きな要因となったという見方があります。

各校16人のメンバーで構成されており、
年末の時点でどの区間を誰が走るか区間エントリーがされますが、
当日の競技スタート1時間10分前までエントリー変更が可能です
昨年までは、4人までの変更が認められていましたが、
今年から6人までの変更が可能となりました。

どの大学もエースクラスの選手は10人の事前エントリーから外し
補欠要因として当日のエントリー変更に備えて温存しておきます。

これによって各校の指揮官は、
スピードで競う区間、スタミナで競う区間など
それまで立てていた区間ごとの戦略を、
瞬時に判断し変更しなければならない
のです。

これが本当に勝負の明暗を分けることとなり、
箱根駅伝が単なるスピードだけでは勝つことのできない
難しい大会となっている理由です。

さて前述の通り混戦の様相を呈した第97回箱根駅伝ですが、
タイトルに書いた通り、適応力が結果を大きく左右しました。

当日までの選手のコンディション調整はもちろん最重要です。
監督による運営管理者からの声がけもとても大事です。
給水、沿道の声援、仲間への想いなどなど、
箱根駅伝を創り上げる全てが選手のチカラとなります。

ただ、今年の覇者駒澤大学の大八木監督は、
「2区の田澤選手以外は当日まで確定していなかった」
と振り返るほど、
当日采配への適応力の重要性を感じる大会となりました。

ちなみに、創価大躍進の秘訣は育成力にあると言われています。

スポーツ誌のNumber1017号によると、
箱根駅伝常連25校の4年生の5000m平均ベストタイムを
高校時、大学時で比較した”成長度”において、
創価大はぶっちぎりの1位でした。

つまり、大学に入学してから大きく成長しているのです。
これは、選手にとって間違いなく自信になります。

指揮官はどこまで行っても状況を読み解き、
ベストな采配をする必要があり、
チームはどれだけ成長できるか?できたか?を
明確に測れる物差しを用意することで、
若者は力を発揮するという一つの仮説が立ちます。

これまでと同じことでは成果が出ないことは、
園児募集や採用活動で昨年経験した人が多いと思います。
令和時代は、昭和、平成の教訓を糧に、
新たなことにチャレンジし、人が憧れ、集う組織、
つまり、目に見えて成長できる組織運営の実現を目指しましょう。

ということで、本ブログ読者の皆様にとって
素敵な1年となることを祈念しております。