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「親」を巻き込んだイマドキ就活

 
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「親」を巻き込んだイマドキ就活
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<本文のポイント>
・各地で開催されている合同説明会が苦戦している。
・「親」を巻き込んだ就職活動は活路となるか?

2026年5月17日(日)、
東京都私立幼稚園連合会主催の幼稚園フェアが開催されました。
ブースに出店した園は60園でしたが、
集客できた学生は約100人でした。

コロナ禍前の平成31年は654人であり、
その当時から比べると
集客力の低下、人口減少、幼業界の志望者数の低下など、
厳しい状況を実感させられます。

厳しい状況に置かれているのは東京都だけではありません。
とある市の合同説明会では、参加者を登録制にしたところ、
わずか2名しか登録がなかったそうです。

自治体や、地域の幼稚園連合会が主催する合同説明会だけではなく
企業が主体となって集客する合同説明会の参加率も
あまり良いとは言えない様子が見られます。

マイナビ保育士主催の4月の合同説明会においては、
昨年は70名の参加がありましたが、
今年は47名と7割ほどにまで参加者の減少が見られました。

昨今はWEBでの採用活動も
活発になっていますので、
合同説明会という就活の方法が主流ではなくなってきている
可能性も考えられます。

さて、合同説明会の参加者が減り、
それに伴ってブースに訪れる学生も減っている…という声が聞こえる中、
昨今最もよく寄せられるようになったのは、
「親同伴でブースに訪れた学生がいる」という声です。

マイナビ保育士のコラムにおいて、
マイナビ保育士の新卒採用担当が最近の保育学生の傾向として
3点特徴を挙げています。
①実家周辺に就職したい学生が一般企業より多い
②保育方針に賛同できる園に就職したいと考える傾向にある
③子どもと向き合った働き方がしたい(事務仕事が少ない園で働きたい)と考える傾向にある

それぞれ興味深い分析ですが、
特に①に着目すると、
Z世代全体で親との距離が近い傾向があることがわかっています。

電通の「Z世代就活生 まるわかり調査2025」において、
入社先が決定していた235人にアンケートを取った結果
入社先を決定する際に最も大きく影響を及ぼしたのは
親や家族、親戚という回答となりました。

 image.png

また、同調査において、
入社先を決定した際に親や親族の影響がある程度あったと回答した学生は、
約46%となりました。

影響を及ぼしたとまでは言わずとも、
ある程度親や親族は就活に関わりがあったことが読み取れます。
 
image.png

親同伴で合同説明会に訪れたり、
内定後に親に連絡があったり
など、
親がZ世代の就職活動に関わる行為が
一般化している中で、
驚くべきことに、2025年には、
就活生の親のための情報サイトがオープンしました。
 image.png
(参考:Oyatokoトップページ<https://oyatoko-career.com/top>)

サイトでは、
親が気になる新人教育などのトピックを中心にしたコラムの掲載や
親が一緒に参加できる就職に関するイベントの開催を行っている
うです。
image.png
(参考:Oyatoko「就活の時、親ってどうしてました?」パネルトーク開催レポート
(  https://oyatoko-career.com/column/260124_report)

イベントレポートを見ると、
大盛況であることがわかります。

興味深いのは、
このサイトへの賛同企業です。

住友商事、ANA、日本生命保険、
アース製薬、SMBC日興証券、日立ソリューションズなど、
名だたる大企業が名を連ねています。

こうした大手企業がバックに付いていることで、
保護者がサイトを信頼しやすくなりますし、
Z世代の傾向を踏まえると
企業としても企業イメージを上げる広報活動になると
考えているはずです。

採用活動もマーケティング活動ですから、
学生へのマーケティング活動として、
好条件のアピール・労働環境の透明化よりも、
親からの信頼獲得のための手段を講じるほうが
効率が良いと判断したようにも思えます。

「オヤカク」「オヤオリ」という言葉をご存じでしょうか?
10年ほど前から一般企業の中で広がっていった言葉で、
これは「親への確認(子どもが出した内定承諾についての確認)」
「親向けオリエンテーション」の略語です。

マイナビの2025年の調査によると、
子どもの内定企業から内定確認の連絡、
いわゆる「オヤカク」を受けた割合は46.2%と、
昨年比で1.0%増加しています。

その他、企業からうけた連絡で最も多いのは
「内定式・入社式への招待」が17.9%(昨対比:0.3pt増)で
2番目に多い結果になりました。

また、招待を受けた保護者のうち、
子どもの内定企業の内定式に「実際に参加した」という保護者は36.1%、
入社式に「参加予定」という保護者は40.1%となりました。

 image.png
 
合同説明会の集客力が落ちている今、
園としては、このようなトレンドを押さえ、
親を意識した発信の仕方、
合説に頼らない学生への対応の仕方を
検討していくべきと考えます。

例えば、以下などが
取り組みの内容として検討できます。
①求人票やパンフレットの整備
②親が園に足を運べる機会の設定
③養成校との良好な関係作り
④実習での接点をそのままにしない、
 継続的な接点作り

①求人票やパンフレットの整備
学生が、保護者に求人票やパンフレットを見せる可能性を考え
情報を整理する必要があります。

保護者が勤務していると想定される一般企業と比較して
情報に曖昧な部分がないか、
条件面で肩を並べられるか、
訴求できるポイントはないかを検討すべきでしょう。

②親が園に足を運べる機会の設定
実はすでに多くの保育園・社会福祉法人などが
取り組んでいます。
例えば、全国に保育園や発達支援事業施設を展開する
社会福祉法人どろんこ会では、
内定式に保護者や学校関係者を呼び、
法人のことを知る機会を設けています。
 image.png
(参考:どろんこ会HP「2026年度新卒内定式リポート|ようこそ、どろんこ会グループへ! ~新たなDoronkoファミリーの船出~」https://www.doronko.jp/recruit-info/20260129a/)

③養成校との良好な関係作り
すでに求人票のご送付は行っているという園さんも多いかもしれませんが、
できれば養成校に直接求人票やパンフレットを持って行ったり、
ご挨拶に訪問したりするということも検討していただくと
良いかと思います。

学生を紹介してほしいとお願いするだけでなく、
養成校が困っていること(実習受け入れの相談や講義への協力など)
協力できる体制があることをアピールするなどで、
養成校と良好な関係を作ることになり、
チャンスを作ることに繋がります。

④実習での接点をそのままにしない、継続的な接点作り
実習後のLINEでのフォローや
採用の時期での電話だけでなく、
一般企業でもよく行われている取り組みである
リクルーター・メンター制度の導入を検討することも良いかもしれません。

一般企業では、
短期インターンシップや早期選考を通し、
見込みがある、是非採用したいという学生に
就活全般や会社の選考の相談にのる
リクルーターやメンターを用意する企業が増えています。

実体験として、
接点を持った時期にもよりますが、
約1か月に1回、選考が近くなると約2週間に1回程度
面談を行っていました。

頻繁にやり取りを行い、
個人的な悩み相談などにも乗ることで
選考離脱を防止することに繋がります。

業界の特性として、
学校の紹介や実習園への就職など、
合同説明会経由での就職以外にも
有効な経路がしっかりとある状況はメリットとも言え、
夏前、夏後も含めて長く採用活動のチャンスがあるとも考えられます。
今年の採用活動を検討する一助にしていただければ幸いです。