必要なのは、本当にその“採用活動”?
課題タイプ別の効果的な取り組み
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<本文のポイント>
1.自園の採用課題を、正確に捉えましょう
2.「緊急度 × 顕在化・潜在的」で整理した課題と施策
① 早期から自園を知ってもらう接点づくり
② “人に憧れて人が集う”リクルートチーム
③ 求職者の認知度を上げる求人媒体リスト
④ 問い合わせの間口を広げて応募を募る方法
3.オンラインでの経営相談も承っています!
来年度に向けた人員体制を整える上で、
「あと○名足りない…」「問い合わせが暫く来ない…」
しかし、採用を進める前に確認すべきは、
その人員が“今すぐ本当に必要なのか”という点です。
採用の緊急度は園によって大きく異なり、
欠員によって運営に支障が出るケースもあれば、
既存体制の工夫で十分に回るケースもあります。
まずは自園の現状を客観的に把握することが何より重要です。
特に施設型給付園では、
加算の取得と人件費のバランスを慎重に見極める必要があります。
たとえば、
現状の園児数で算定すると、その1名を採用しても
加算額より人件費が上回ってしまうことが確認できる場合、
既存職員のシフト調整で乗り切る判断がベターです。
また、朝と夕方の預かり保育が人手不足だと感じている場合、
パート職員にヒアリングしてみると「週2〜
「子どもが大きくなってきたので夕方も対応できる」
この場合、追加採用をせずに課題が解決できます。
このように、既存職員の勤務意向を丁寧に確認するだけで
状況が大きく改善するケースも少なくありません。
現場から「人が足りない」と声が上がると、
加算要件や配置基準を整理してみると必要人数を満たしている場合
職員が感覚的に“忙しい”と感じていても、
業務の偏りを整理することで改善できる場合もあります。
園の置かれている状況はそれぞれ異なり、
採用の緊急性や必要性も一律ではありません。
だからこそ、まずは自園の実態を丁寧に整理し、
経営的な数字と現場の声を総合的に踏まえた上で、
最適な人員配置を判断していただきたいと思います。
園の採用活動は、「緊急度 × 顕在化・潜在的」の2軸で整理することで、
自園がどのタイプの課題を抱えているのかが明確になります。
下図のように分類すると、採用すべきか、
あるいは現場理解の強化が必要なのかといった“次の一手”
パターンAの
「令和9年度以降に就職する新卒採用の流れを作りたい」
学生の母集団形成をし、採用に繋がる道筋を作る施策が有効です。
有効求人倍率は2.5倍程度であり、“幼稚園教諭免許取得者”の
幼稚園、認定こども園への就職割合は3割にも満たず、
学生の採用市場は、“超競争激化市場”と化しています。
採用活動の難易度が高くなります。
そのため、 就職活動の前段階(できれば中高生)
早い段階から自園を知ってもらう状態を作りましょう。
就職活動前から持てる接点として、下記が挙げられます。
<接触機会の例>
・実習
・長期アルバイト
・単発アルバイト
・職場体験
・学生向けイベント
「学生向けイベント」とは、例えば学生が知りたい内容を伝える
“情報提供型イベント”を企画する方法があります。
多くの学生が、「実習」 に対する疑問や不安を抱いています。
保育者や学生2,418名が集う「LINEオープンチャット」
質問の半数以上が、「実習」に関するものでした。
特に、実習中の活動内容について知りたい様子が窺えます。
学生向けイベントとして、実習に役立つ活動紹介や手遊び、
保育製作実践をすることは、学生のニーズに沿っています。
「現場の理解を促し、教職員と一体となった採用を実現したい!」
リクルートチームを発足して、教職員に採用課題を理解してもらい
ともに採用活動を進めていきましょう。
現場が採用に関与するリクルートチームの発足によって、
単に「人がいない」と嘆くだけの状況をなくし、採用活動が“
また、学生の就職先選びの重要項目を示した下グラフから、
学生に「人の魅力」
教職員が学生と直接関わることで、
“人に憧れて人が集う”状態をつくることに繋がります。
リクルートチームを活性化させていく流れは下記の通りです。
① 採用課題の共有
園として「なぜリクルートチームが必要なのか」を明確にし、
② リクルートチームの目的決め
“チームを作ること”が目的ではなく、“
実習からの採用率を高める、問い合わせ数自体を増やす、
現場の魅力を言語化し情報発信するなど、
③ チームメンバー選出
学生との感覚が近い若手、園の魅力を伝えられる中堅・ベテランが
組み合わさったメンバー構成により、
推薦または立候補によりメンバー決定ができることが望ましい。
④ 年間プラン決め
採用は“行き当たりばったり”ではなく、
学生の動きに合わせた採用活動のスケジュールを組み立てる。
⑤ 実行&振り返り
計画したプランに沿って実行していく。
月1度のミーティングを実施して実行内容と計画の見直しを図る。
パターンCの
「今すぐ採用したくて、採用課題も分かっているが、
という課題は、 “サイトをフル活用”
下に並べた求人媒体は、
有資格者の採用において一定数の成果が見込める求人媒体です。
インターネット上で求人を検索する求職者に対して認知度を上げる
中でも、Airワークとジョブメドレーについては、
「スカウト機能」を用いることで、直接コンタクトが可能です。
求人媒体をフル活用して、問い合わせを獲得していきましょう。
パターンDの
「今すぐに採用したいが、
反応が得られやすい方法を選択し、
例えば、担任の求人に反応が見られない場合に、
求人名を「サポートスタッフ」という文言にして
仕事内容の選択肢として「担任」「保育補助」
求人自体の表示回数やクリック率を高めることができます。
「担任は荷が大きいかも…」と応募を躊躇する求職者にも、
“今は担任にチャレンジして、数年後には保育補助”
という選択肢を持たせる方法があります。
関東にある認定こども園では、
「担任」として出した求人を有料運用しましたが、
そもそも求人を見てもらえなかったために、
上記のように、求人名を「サポートスタッフ」
表示数は1.5倍、クリック率は1.8倍、実際に応募にも至り、
広告運用の効率は大きく改善されました。
求職者のニーズを踏まえた打ち出しが重要だといえます。
自園は、どのタイプの課題をお持ちでしょうか?
まずは位置づけを整理し、
今すぐ採用活動を立て直したい方や
何から着手すべきか迷っている方に向けて、
オンラインでの経営相談も承っております。
通常は1時間5万円にて実施しておりますが、
日頃よりメルマガをご愛読いただいている皆様に限り
先着3園まで、1時間3万円でご案内いたします。
採用戦略の整理、人員配置の見直し、現場とのギャップ解消など、
お気軽にご相談ください。
