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「感情検索世代」に 安心感を与える内定者フォロー

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「感情検索世代」に
安心感を与える内定者フォロー

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<本文のポイント>
・ 心情をこぼす「感情検索行動」とは
・ 即時のフィードバックに敏感なZ世代
・ 内定者を「離脱」させない内定者フォロー
“感情検索”という言葉をご存じでしょうか?
これは、最近のZ世代の行動特性を表す言葉です。
検索とは、一般的に確認したい対象が明確に定まっていたり
事実について調べたりするものですが、
Z世代の間では、自分や他人の感情を検索する行動が見られています。
博報堂若者研究所と株式会社ヴァリューズの共同研究調査によると、
以下の感情検索例が挙がっています。
「夜になると不安 なぜ」
「バイト 初日 行きたくない」
「結婚はしたくないけど付き合いたい」
「社員旅行 行きたくない」
「なんで話しかけられないんだろう」
若者がネットで検索する行動は、
答えや解決策を探すというより
「心の内」を表現する傾向があります。
感情検索する具体的な行動の場面は、以下のようなものがあるようです。
「映画を観終わったら、他の人が
 どう評価しているかをレビューサイトなどで検索。
 感想の中で自分があぁそうだなと思った感想が自分の感想になる。」
「ニュースを見てムカついた時、他の人も怒っているかをXで検索。
 擁護している人が多かったりすると自分の感情を調整する。」
「サッカーを見ていてすごいプレーだと思った時、
 他の人もすごいといっているかXで確認する。」

この背景には、SNSによる即時的なフィードバック文化があります。
LINEリサーチの調査では、Z世代の82.5%が
SNSの通知やリアクションを数分以内に確認すると回答しています。
Z世代は、日常的にSNSなどのアプリに長時間触れ、
不安 → 投稿 → リアクション → 安心という
即時サイクルに慣れた世代であることが分かります。この世代の傾向を踏まえて、
学生対応や採用活動を進めていくことが重要です。
また、9月30日メルマガ
施設型給付制度で押さえるべきポイントでもお伝えしたように、
処遇改善等加算の区分1におけるキャリアパス要件では、
フィードバックの仕組み整備が求められています。
時代の変化による新たな方向性として、
フィードバックの体制をつくる必要性が増しています。
10月中旬に差し掛かり、各園で内定者が増えてきた時期ですので、
ここからは、内定者を「離脱」させないための
感情検索世代に響く内定者フォローについて解説していきます。

1. 内定の段階から、同期・先輩との関係構築を図る
GCLIPとしてヒアリングを実施すると、内定者・新卒者の約3人に1人が
先輩社員や同期の人柄が知れる交流を求めていることが分かりました。
内定者同士や先輩社員とのつながりを築くことで
不安や疑問があった時に、確認する心理的ハードルが下がります。
就職後のスムーズなコミュニケーションや早期の業務適応も期待できます。
また、先輩だけでなく同期とも交流することは、
共通の不安や期待を共有していることの安心感が得られ、
孤独感や不安が軽減されることに繋がります。

2. 仕組みだけではなく「ストーリー」で伝える
採用活動の過程では、「研修制度があります」「メンター制度があります」
といった内容を伝えていると思いますが、仕組みを伝えるだけではなく、
具体的な人物のエピソードを伝えることで、Z世代の共感が得やすくなります。
例えば、先輩職員が就職時に抱えていた不安とそれを乗り越えたエピソードは、
「自分も同じような不安を抱くのは自然」
という共感が生まれ 安心感を与えられやすくなります。
入社前に抱いていた理想と、実際の業務や職場環境との違い
についてのエピソードを共有することで、
内定者が現実的な期待を持つことができます。
先輩職員の「本音」を知ることで、距離感が縮まり、
内定者との心理的なつながりが強化されるのです。

3.「即レス体制」をつくる
「聞きたいことがあったらいつでも連絡してね」
と内定者に伝えるだけではなく、
その時の連絡手段と対応する職員を明確に示しましょう。
連絡手段は、時間を問わずに気軽にチャットが送れる
LINE公式アカウントがオススメです。
また、内容によって返答に時間がかかる場合でも、
「確認して返答するのでお待ちくださいね」などと「反応」をしましょう。
感情検索世代においては、
「自分の不安や疑問に迅速に反応してもらえる」
という体験こそが安心材料になります。
現時点で内定を受けている学生は、就職までおよそ半年の期間があります。
4月に向けて膨らみやすい不安を定期的に解消して
前向きに社会人のスタートを切れるように、学生対応をしていきましょう!