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【施設型給付攻略セミナー Q&A その①】

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施設型給付攻略セミナー Q&A その①
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11月29日、12月8日にオンラインにて
施設型給付攻略セミナーを開催させていただきました。
 
毎年行わせていただいているこのセミナーですが、
今回はオンラインでの開催ということもあると思いますが、
両日合わせて100名以上のご参加をいただき、
施設型給付制度への移行のほか、
制度の運用で迷っている、困っているというケースが
非常に多いということを実感しました。
 
施設型給付制度は公定価格が毎年変更されることはもちろん、
最近で言えば処遇改善等加算Ⅲの誕生、
今後予定されている職員配置の変更など、
常に制度が変更されていきます。
 
また、国から発信されている内容と、
各自治体での見解が異なる部分があり、
思うように制度を活用できないということもあります。
 
最新の情報をしっかりとキャッチしておくこと、
そして何よりも国が発信している情報を正確にキャッチし、
それを伝えることができるようにしておくことは、
制度を活用し、運営を安定化させていくためにとても重要なことです。
 
今回のセミナーでは、国が発信している内容をベースに、
自治体向けのFAQなどもお伝えしながら行わせていただきました
 
 
今回のメルマガはセミナー終了後にいただいたアンケートから
ピックアップをし、お答えする回の第一弾です。
 
また、セミナーでは伝えきることが出来なかった部分も
少し追加してお伝えしようと思います。
 
 
<質問>
「階段状に定員設定がある場合、バランスよく途中入園を受け入れるほうがいい」
という話がありましたが、もう少し詳しく教えてください。
 
<お答えします!>
公定価格は利用定員によって単価が変動します。
そのため、利用定員をどのように設定するかによって
収入に大きな影響を与えます。
 
今回いただいたご質問は弾力化を活用し、
利用定員以上の園児を受け入れる場合に
考慮していくべき内容です。
 
順を追って説明させていただきます。
 
まず国からのFAQを読み解いていくと
利用定員を超えて恒常的(2年度間)に年間平均在所率が120%以上の
園児を受け入れている場合は公定価格の減額対象となるか、
利用定員を変更しなければならないということになっています。
 
これは逆を言えば恒常的に年間平均在所率が120%を超えなければ、
受け入れても良いという解釈ができます。
 
例えば満3歳児6名、3歳児28名、4歳児28名、5歳児28名、合計90名の園があり、
利用定員を90名としている場合は
120%の園児数は108名ということになります。
 
仮に途中入園として満3歳児12名、3歳児が4名、4歳児が4名入り、
満3歳児18名、3歳児32名、4歳児32名、5歳児28名の合計110名
という形になってしまった場合、
最終的な在所率は120%を超えていますが、
年間の平均として考える年間平均在所率では120%を超えません。
 
そのため、この段階では問題ないということになります。
 
しかし、この状況には実は問題が二つあります。
 
一つ目に多くの場合、4月当初は利用定員を守ってほしいという行政が多いため、
4月当初の園児数を90名に合わせる必要が出る可能性があります
 
二つ目に年間の平均在所率という考え方についても、
3歳児と4歳児の32名ずつはそのまま在籍するということになるため、
翌年度の平均在所率も上げてしまうということになります。
 
例えば4月当初は利用定員内に収めるということを条件にした場合
3歳児26名、4歳児32名、5歳児32名の合計90名しか
4月スタート時点で受け入れることが出来なくなり、
3歳児の園児数を十分に受け入れることが出来なくなります。
 
 
基本的に1号認定では3歳児や4歳児といった翌年度も在籍する学年については
出来る限り利用定員に近い形で受け入れを行うことが理想です。
 
逆に利用定員が階段状になっている学年、例えば満3歳児の場合は
翌年度は3歳児の利用定員に収まる形で募集することが出来れば
翌年度に影響を与えることはありません。
また、満3歳児は3歳の誕生日を迎えた日から入園ということになるため
年間平均在所率が上がってしまうということも起こりづらい学年です。
 
 
ご質問の「階段状に定員設定がある場合、バランスよく途中入園を受け入れるほうがいい」
という内容については、
以下の図のようなことが想定されることから、
上手に運用をしていくことがポイントになるということをお伝えしています。
 
<階段型と寸胴型の弾力化を利用した受け入れ図>
 
例えば利用定員が満3歳児6名、3歳児30名であった場合、
満3歳児を30名まで受け入れても翌年度の3歳児の園児数が
利用定員の30名を超えることはありません。
 
同じように利用定員が0歳児3名、1歳児12名、2歳児18名
という形になっていた場合、
0歳児は12名まで、1歳児は18名まで受け入れても、
翌年度に1歳児、2歳児の利用定員を上回ることはありません。
 
逆に寸胴型(各学年同じ利用定員)で利用定員を設定している場合は、
途中入園を受け入れていくと翌年度に園児がそのまま残る学年があることから
翌年度の園児募集に影響を与える可能性が高まります。
 
 
階段状になっている定員設定がある場合は、
弾力化の受け入れを上手に活用することで、
単価が高い状態で園児を受け入れることができる可能性がありますので、
施設型給付の運用を進めていく上でのポイントになります。
 
注意点としては行政の見解と施設面積、人員配置です。
 
弾力化の考え方は各行政によって見解が異なることが多く、
弾力化を受け入れてもらえない場合もあります。
しかし、途中入園ということは運営していく中で十分に考えられますので、
行政と協議を行っていくことが重要です。
 
また0歳児、1歳児、2歳児、満3歳児について
利用定員を超えて受け入れを行った場合、
その園児数を受け入れることができる面積があるのか、
人員配置になっているのか、を確認していく必要があります。
 
利用定員の設定と面積、人員配置の基準は
密接に関係していますので、
同時に検討をしていただければと思います。
 
 
利用定員の設定と弾力化での受け入れについては、
経営に影響を与える部分ですので、
自園にとって良い形で運用できるように
継続して行政と協議をしていただければと思います。
 
 
今回は一つのご質問へのご回答となりましたが、
引き続き今後もメルマガの中でその他のご質問についても
ご紹介していきたいと思います。