DIARY

“メンパ”時代の右腕育成の重要性と若手マネジメントのポイント4選

=================
 “メンパ”時代の右腕育成の重要性と
若手マネジメントのポイント4選
=================

<本文のポイント>
・現代の若者は、精神的消耗を避ける“メンパ”を重視する
・人的資本経営が注目される時代に、経営者の右腕育成が重要
・Z世代のリアルな心理を踏まえた「フィードバックのポイント4選」
・“メンパ”は消費行動のトレンドであり、採用戦略にも直結

突然ですが、「メンパ」という言葉をご存じでしょうか?

メンパとは「メンタルパフォーマンス」の略であり、
昨今、若者の消費行動や意思決定を読み解くキーワードとして、
コスパ(コストパフォーマンス)、タイパ(タイムパフォーマンス)に続き、
大きな注目を集めています。

これまでのトレンドであった

「コスパ(金銭的効率)」や「タイパ(時間的効率)」では、
効率よく成果を得ることを重視していたのに対し、
メンパは「いかに心が削られないか」
「心理的負荷をいかに避けられるか」という、
メンタルへの良し悪しや、メンタル消耗の最小化を優先する考え方です。

メンパを求める背景にあるのは、

SNSを前提とした「常時接続社会」です。
かつては、学校や職場から帰れば人間関係はいったん区切られていました。
しかし現在は、InstagramやTikTok、X、BeRealなどのSNSによって、
24時間いつでも他者の存在や評価にさらされる状態が続いています。
通知・既読・DM・フォロワー数・再生回数・保存数といった数値化された反応は、
他者からの評価が可視化された状態なのです。

この“常時接続状態”は、心理学的に見ると脳の休息時間を奪います。
常に誰かの視線を意識し、

常に情報を受信し続ける状態は、心理的負荷が蓄積されるため、
その結果、「いかにメンタルを削られずに生きるか」「いかに心のHPを回復できるか」
という発想が自然と生まれます。

実際に、若者の間では、
あえてデジタルから強制的に離れる時間を選択する行動が見られます。

その一例が、若年層を中心に広がる「編み物ブーム」です。
編み物は、手を動かし続ける単純作業でありながら、
完成までに時間を要するアナログな活動で、

コスパやタイパの発想とは対極にあります。
没頭している間はスマホに触れることができず、自然と画面との距離が生まれ、
その結果、意図せずとも「デジタルデトックス」が実現されるのです。

この「精神的な消耗を避ける(メンパを高める)」という若者の心理は、
組織マネジメントにおいて避けては通れない視点
です。

GCLIPでは先週2月25日(水)に、
「新時代の組織改革セミナー」の第一部として
「経営者の右腕育成講座」を実施いたしました。

現代の園経営は、かつてないほど複雑化しています。
2015年に子ども・子育て支援新制度が開始されて以降、
共働き世帯の増加や入園の低年齢化が進み、
開所時間の延長に伴う人員配置や厳格化する配置基準への対応など
運営の難易度は増しています。

こうした激動の時代において、
今注目されているのが「人的資本経営」という考え方です。
現在、日本全体が「人口オーナス時代」に突入し、

働き手が圧倒的に減少しています。
人手不足は2030年に340万人、2040年には1,000万人を超えると予測されており、
採用は、もはや業種を超えた激しい争奪戦となっています。

このような環境下では、
教職員を単なる「資源」ではなく、価値を生み出す「資本」と捉え、
一人ひとりの能力を最大限に引き出すマネジメントが欠かせません
しかし、多忙を極める経営者が一人で全職員の多様な価値観に寄り添い、
細やかな育成までを完結させるには限界があります。

そこで重要になるのが、「経営者の右腕」の存在です。
右腕となる人材は、経営者と現場をつなぐパイプ役です。
経営者の想いを現場の言葉に翻訳し、
若手が迷わず安心して働ける「組織の軸」を示す役割を右腕の先生が担うことが、
職員定着を促し、変化に強い組織を作るための最大の鍵となるのです。

経営情報の見える化や処遇改善等加算の一本化によって、
人的資本経営やキャリアパス要件への対応が急務となる中、
セミナーでは、組織づくりにおける「フィードバック」の重要性をお伝えしました。

フィードバックは、若手が「寄り添ってほしい」と感じる心理を満たしながら、
法人が描く成長プロセスへと導くための仕組みです。
具体的には、「資質向上のための計画」を策定し、
その計画に基づいた振り返りシートを活用することが有効です。
自己評価と他者評価の両視点から成長を確認する個別対応が、
納得感のある育成につながります。

“メンパ”を重視するZ世代の心理特性を踏まえた、
フィードバックのポイントを4つお伝えいたします。

1. 「勇気」に頼らず動ける構造をつくる
園内会議ですぐに発言しなかったり、

行事の役割に立候補しなかったりする若手は、
必ずしも「やりたくない」のではありません。
自分の発言や行動により「目立って浮くのが怖い」
「出しゃばっていると思われたくない」という心理が働いているケースが多くあります。
これに対して、「気づいたら動いて」と勇気に委ねるのではなく、
具体的な役割を与えて責任遂行を促す方法があります。
また、「新しいアイデアは歓迎。多少ズレてもOK」等と
許可を出しておくことで、“出る=減点”という考えを無くす方法も有効です。

2. 「感情」と「事実」の切り分けをサポートする
多様性の尊重やハラスメント防止が打ち出される社会で生き
感情を大切にする文化で育っているZ世代は、
厳しい指摘を受けると「自分は向いていない」「嫌われた」と感情的な解釈をしがちです。
フィードバック時には、解釈の調整を意識的に行いましょう。
例えば、 「今回の件をどう受け止めた?」と本人の解釈を確認した上で、
起きた「事実」と、単なる「不安な感情」を区別できるようガイドすることで、
若手は、物事の適切な受け止め方を身につけやすくなります。

3.心理的安全性を高める称賛の仕方
「〇〇先生が褒めていたよ」と、
本人がいない場で良い点を伝える“陰褒め”という方法があります。
現代の若手の約6割が「大勢の前で褒められたくない」と感じていると言われ、
そこには周囲から浮くことへの不安や、

注目された際の反応に困る本音が隠れています。
間接的に伝わる称賛は、過度な緊張を生まずに自己重要感を満たします。
直接伝える場合は個別の場を選ぶなど、
伝え方を調整することで、心理的安全性を高めることができます。

4.「努力」に原因帰属したフィードバック
今の若手は、努力が報われるという成功体験に触れる機会が少なく、
「頑張っても意味がない」という消耗感を抱きやすい傾向があります。
“親ガチャ”“上司ガチャ”といった言葉は、
「努力では変えられないものが人生を左右する」という感覚を表しているともいえます。
だからこそ、成果の要因を「才能」ではなく、
具体的な準備や行動に結びつけるフィードバックが重要です。
「あの準備量が結果につながったね」と伝えることや
結果だけでなく挑戦そのものを評価することが、
努力の価値を意味づけ、次の行動を後押しします。

今回、組織マネジメントにおける、経営者の右腕の重要性と
“メンパ”を重要視する若手の心理特性を踏まえた対応についてお伝えしてきました。


実は、この「メンパ」という新たな消費行動は、
採用活動においても重要な要素になります。
採用競争が業界の垣根を超えて激化する中、
学生が「この園なら安心して働けそうだ」と感じられる
園の魅力発信が採用戦略の要となります。

この「メンパ」トレンドを踏まえた具体的な採用手法については、
今後のメルマガでさらに詳しく解説いたしますので、
どうぞ楽しみにお待ちください。