教育性?利便性?あえて均衡させない振り子の経営
========================
振り子時計は振り子が動くことで時を刻みます。
振り子が止まると時は刻みません。
左右に振り子を動かすことがとても重要です。
この振り子の動きは経営においてもとても大切であると
ある著名な経営者がお話をされています。
その経営者によれば、経営も振り子のように動かないと停滞し、
成長、発展に繋がらないということです。
最近の業界の動向を見ると、
この考え方は重要であると考えています。
経営で言う振り子の動きとはどういうものを指すのかと言いますと
例えば園児募集で言えば、「教育性」か「利便性」
この二つのどちらかを進めていくということではなく、
以下の二つを進めていくことが振り子の経営です。
①どちらかに振れていたら、逆側に振るということを意識する
②あえて均衡を取らず、どちらかに振るということを意識する
均衡が取れてバランスが良い状態は一見すると良いように思えます
成長、発展は生まれづらく、停滞してしまう可能性があるため、
あえてどちらかに振るべきだ、
園児募集に限らず、採用やマネジメントにおいて、
「働きがい」と「働き方」は振り子を考えると代表例です。
近年の傾向を見ていると、「働き方」を重要視し、
環境を整備してきた法人であっても一斉に退職が出てしまう、
といったことが頻繁に起こります。
この原因は様々考えることができますが、
その中の一つとして、「働き方」の整備に傾倒し、
「働きがい」を感じてもらうことができなかった、
ということをお話をお伺いするときがあります。
「働き方」について法人の意識が強くなりすぎることで、
そこで働く人材も「働き方」に目が行き過ぎてしまい、
結果として悪い方向に進んでしまうということも
最近ではよくあります。
「働き方」に振ったら、
「働きがい」に振る
ということを意識することがとても重要です。
そのほかにも経営全般に言えることですが、
「効率」と「能率」という振り子や
「短期」と「長期」という振り子もあります。
・「効率」と「能率」
①指導案の作成や要録の作成をどこまで効率的にするのか、
しっかりとこだわった作成を行うのか。
②できる限り電子化をし、効率性を高めるのか、
③園内の掃除は専門の人に任せるのか、先生方が行うのか。
④外部への委託をするのか、園内で行うのか。
大きく動いているように思います。
・「短期」と「長期」
①人材紹介を使うのか、採用の仕組みを整えるのか
②インターネット広告を活用するのか、
③より低年齢への広報を強化するのか、
④預かり保育の時間を伸ばすのか、対象の学年を伸ばすのか
園児募集という視点において、
先ほどの「教育性」と「利便性」については
言い換えると「こどもの成長」という振り子と
「保護者の生活」という振り子が近い意味になります。
最近の園児募集の傾向は
共働きであることが前提となった時代であることから
特に「保護者の生活」という視点はとても重要になっています。
近年の物価高に対しての生活費の確保や、
自分が積み重ねてきたキャリアの維持、
何よりも自分自身の自己実現という視点など、
園を選択する際には「こどもの成長」はもちろん大切ですが、
「自分の生活(保護者の生活)」についての重要性が高まっていま
このような時代の中で、「こどもの成長」
なかなか良い反応を得ることが難しい時代になっています。
またその内容の情報発信などを
しっかりと行なっていく必要があります。
バランスの良い経営はとても重要です。
またorではなく、andの考え方が重要です。
しかし振り子の発想で重要なことは
バランスをよくしてしまうと停滞してしまうということです。
あえてそのバランスを崩し、不均衡を作り続け、
組織に変化を起こすことが重要であることを示唆しています。
往々にして「変化がない組織」や「偏った組織」は
組織風土として課題と言われます。
振り子の経営はその二つの課題を解消する発想であり、
これからの時代を考えていく上でもとても大切です。
今、皆さんの園は
「教育性」「利便性」のどちらに触れていますか?
またはバランスが良い状態でしょうか?
「働きがい」「働き方」のどちらに触れていますか?
またはバランスが良い状態でしょうか?
「効率」「能率」のどちらに触れていますか?
またはバランスが良い状態でしょうか?
「短期」「長期」のどちらに触れていますか?
またはバランスが良い状態でしょうか?
平均がないため、なかなかどちらに触れているのか、
ということを判断することは難しいかもしれませんが、
例えば「教育性」を高める方向性の動きをとった後は
「利便性」を高める方向性の動きを取るというように
常に振り子を動かしていくということが重要です。
来年度に向けて、ぜひ改めて今の状況の整理と
振り子の発想を参考にしていただけますと幸いです。
