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暑い夏だからこそ生まれたもの
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<本文のポイント>
・暑い夏だからこそ、変化や進化が生まれている!
・「再生二期作」「モールソン」という言葉をご存じでしょうか?
・暑いからこそ課題解決や価値創出に繋がることもあります!
9月に入りましたが、大変暑い日が続いています。
今年は連続猛暑日が過去最長となり、
猛暑日の日数については過去最高を記録した
ということで過去最高に暑かった夏ということになります。
これだけ暑い夏ですので、学校教育の現場も
変化してきています。
例えば大分県のある地域の小学校では夏休み明け1週間は
すべて給食までとし、最も暑くなる14時前後に重ならないように
帰宅をしてもらうという取り組みをしたり、
青森県の小学校では夏休み明けの給食について、
こどもたちが好きなメニューを連続して提供し、
小学校に来ることが楽しみになってほしい&
食欲が落ちる夏をおいしく乗り切ってほしい
という取り組みをしたりしています。
また、最近になってよく私がお伺いするようになったのは、
学校のプール問題です。
小学校のプールは屋外であることが多く、
とにかく暑く、危険性が高まっています。
また、維持費も多額にかかることから、
小学校のプールを廃止し、民間企業と連携し、
プールを行うという例も増えてきています。
例えば鳥取県の米子市では、テスト的に
小学校と民間プールの間を米子市が用意したバスで移動し、
民間プールの指導者が指導を行う
という取り組みが行われています。
学校教育の水泳指導はもともと悲惨な水難事故があったことから、
水泳を学ぶ必要があるということが理由でスタートしていますので 、
水泳指導をなくすのではなく、上記のような取り組みなどを
行っていくことが重要だと思います。
一方で、夏が暑すぎるということもありますので、
季節をずらすということも方法としてはあるように感じます。
プールとは関係ありませんが、皆さんは今注目されている
「再生二期作」という言葉はご存じでしょうか?
最近ではお米の値段について連日報道されていますが、
この再生二期作はお米にとても関係するものです。
再生二期作とはAiに聞くと以下のように出ます。
「再生二期作とは、同じ稲株から2度目の稲を収穫する栽培方法で す。
1回目の収穫後、株元から生えてくる「ひこばえ(再生稲)」 を育てて
2度目の収穫を行うため、通常の二期作で必要となる2回目の田植 えや
育苗が不要になり、資材や労働力を削減できます。」
この取り組みは温暖化している現在の環境を活かしたもので、
温暖な気候が長く続くようになったため、
稲の生育環境が変わり、2回にわたって収穫できる
ということになってきているのです。
2回収穫できることによって効率的な収穫ができる
ということは間違いありません。
暑い季節を逆手に取り、今までの取り組みを変化させ、
より効率の良い運用を行っている良い事例です。
先ほどのプールについても、暑いから、
ということで水に親しむことをやめるのではなく、
暑い季節が続いているからこそ、
異なる角度から水に親しむための提案を行う
ということはとても大切だと感じます。
千葉県柏市にある柏芳学園では、
昔から海や川などでの体験あそびに力を入れています。
また、併設したプールの中では着衣水泳など、
水と親しみながら、水難事故防止に役立つ取り組みを行っています 。
温かい日が続くようになっているからこそ、
夏期間の水遊び期間は長くなっていますし、
水難事故が起こる可能性も高まっています。
そういった背景もあり、柏芳学園では、夏を迎える前に
ライフジャケットの着脱の練習を園内で行い、
夏に向けて親子で活動するにあたっての注意点などを
伝える取り組みを行っています。
暑いからといって水に親しむ機会が減るご家庭と
暑いからといって水に親しむ機会が増えるご家庭が予想されますが 、
ライフジャケットの取り組みはどちらのご家庭にも、
とても大切な取り組みであると言えます。
また、 水難事故防止という理由からスタートした小学校の水泳指導を考え ても、
水難事故防止につながる取り組みはとても大切な取り組みです。
さらにご家庭はもちろん、例えば川や海に体験あそびに行く際に、
こどもたちがライフジャケットを着脱することができることで、
先生方の手伝いが最小限となり、
先生方からも喜ばれている取り組みになっています。
近年では行事の時期についてもよく議論が出ます。
運動会に向けた準備が暑い季節と重なり、
思うように準備ができないといったことから、
冬に計画していた行事と運動会を逆にする
といった取り組みを行う園もあります。
経営は変えてはならないものと
変えていかなければならないものがあるとよく言われます。
目的や想いがはっきりとし、それがベースにあれば、
変化をすることもとても大切です。
「モールソン」という言葉をご存じでしょうか?
日本だけに限らず、世界的に暑くなっていていますが、
モールソンはドバイで行われ、日本でも導入を検討する場所が
出てきているということを聞きます。
モールソンとは
ショッピングモールで行うマラソン大会です。
実は夏は暑いことから人体が自ら体温をあげて
代謝をよくする必要がないため、
太りやすい季節だと言われています。
また、暑すぎて運動不足になるということも言われています。
こういったことを背景にショッピングモールの朝を活用し、
ショッピングモール内をマラソンするという取り組みが
ドバイで話題になっているのです。
日本では例えばイオンが「モールウォーキング」というものを推奨 しています。
ショッピングモールにとってもショッピングモールに人が呼べる取 り組みで、
地域との密接な関係性を構築していく良い機会となっています。
もしかすると幼稚園や認定こども園でも、
園庭開放ではなく、園舎開放とし、
園内で身体を動かすイベントなどを実施することで、
地域の子育て支援に一躍担えるチャンスがあるかもしれません。
経営には課題解決と価値創出がとても重要です。
暑い夏は課題もたくさんありますし、
新しい価値を創出するという視点においても、
様々な場所で変化や進化が起こっています。
幼保の業界もまた、 変化や進化が必要なことがあるかもしれません。