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新しい時代に躍進する組織
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<本文のポイント>
・就学前教育保育業界の時流変化による制度改正のポイント
・量から質へ、質の先にある業界の未来へ
・3つの主な改正点とその取り組みについて
<本文>
令和7年度より就学前教育・保育施設運営にかかる
やり方とあり方がアップデートされ、
これまでより分かり易さが求められるようになります。
大きく改善される点として、
①保育DX化による”3方良し”の負担軽減
②就学前教育保育施設の経営情報の見える化
③処遇改善等加算の一本化
が挙げられます。
ひとつずつ掻い摘んで説明しましょう。
①保育DX化による”3方良し”の負担軽減
アナログ業務や多くの書類作成業務を標準化することで
複雑な事務の効率化を図り、施設の事務スタッフと自治体(職員)の
負担軽減を実現することに加え、
施設情報がプラットフォームに集約することで、
保護者の”保活(=施設選び)”をスマホからワンストップ・オンライン化すること。
これによって保護者、園スタッフ、自治体職員3者の負担を軽減し
それぞれが効率よく”タスク”をこなすことができる、という趣旨のものです。
施設型給付は私学助成と異なり、
園児数や職員数などを毎月確認し、月次で給付費を受給する 形になっています。
そのため自治体によって多少の違いはありますが、
私学助成のようにまとまった補助金が年に数回に分けて助成されるのではなく、
給付費を毎月もらうことができるため、
キャッシュフ ローが安定するというメリットがあります。
一方で、毎月の申請が必要になることや、
園児数や職員数の変動で取得できる加算の種類が変わったり、
処遇改善等加算の内容や申請書類が複雑になるなど、
事務負担が大きくなる傾向があります。
同時に、自治体職員も様々な書類の確認による業務負担が大きくなります。
特に小規模自治体の場合、人員が少なくより大変な状況 となっています。
こういった課題を解決するために保育DX化を進め、
申請書類等のやり取りの電子化による負担軽減が主な主旨です。
手間を惜しんで 「手のひら以外へ”わざわざ”いく必要のあること」が
容易く思い浮かばないほどスマホに依存する社会です。
検索、買い物含めた多くの意思決定がスマホでできる今のような社会では
スマホ内でできないことで、選択されないリスクを回避する必要があります。
保護者の園選びという観点からもDX化による効果が見込まれますので、
速やかにデジタルへの対応をしておく必要があります。
②就学前教育保育施設の経営情報の見える化
続いて経営情報の見える化については、
・施設における処遇改善や配置改善等の検証を踏まえた公定価格の改善を図ること
・行政機関における、国民の教育・保育の現状や実態の正確な理解促進や的確な支援策の検討
・保護者や求職者等の意思決定の支援、経営分析、学術研究など幅広い関係者の利益貢献
と、主に3つの目的が掲げられています。
報告の情報と公表については次のスライド(P10)を参照してください。
①人員配置(基準と実際の差)
②職員給与(モデル給与)
③収支の状況(人件費率)
の公開が求められていて、この辺りが公にできる施設が
目的に2つ目に掲げられている国民の信頼を得たり、
保護者や求職者から選ばれやすくなるような仕組みになっています。
対象は施設型給付及び地域型給付を受ける施設ですが、
私学助成の幼稚園も「任意」で公表することが可能です。
この見える化が果たす役割は極めて大きくなると思われます。
3月12日に配信した組織戦略セミナーでも指摘しましたが、
全ての施設において一律に公開される情報というのは、
あることが当たり前の情報となるため、
公開されないことによってマイナスに作用する効果があります。
経営情報以外にも特色や資格者数などの
施設情報も記載することができるので選ぶ側からすれば、
単純に多くの情報が掲載されている施設の方が
信用に値する施設という判断になるような仕組みです。
現状「ここdeサーチ」を確認すると、
公開義務の対象となっていない施設※も検索可能となっているため、
情報公開の有無にかかわらずこの検索システムの中では
「選択の対象」であると認識して準備することが求められそうです。
※対象施設
③処遇改善等加算の一本化
これも何をもって一本化というのかが難解な厄介者ですが、
これまでと比べて「もらいにくく」「配りやすい」仕組みになったと言われます。
これはとても良い傾向だと思います。
ただ、あちこちで話を聞きますが、解釈が人によって異なります。
こ家庁の資料でも特に「要件」の部分が難解で、
とても重要なところが驚くほどさらっと説明されているため注意が必要です。
一本化後の区分③(旧処遇改善Ⅱ)の加算要件は
「”要件を満たす職員数が実際にいることを要件”として
年度内に研修修了を予定しているものであって、副主任保育士、
専門リーダー等に準ずる職位や職務命令を受けている
ことを要件に配分対象として認める・・・」
とありまして、2重に理解に苦しむ文章となっています。
これはあくまでキャリアアップ研修が所定の時間数終わっている
(旧処遇改善Ⅱの人数算定表における人数A(R7は45時間終了)の数と、
人数B(15時間終了)の数)が実際にいることが区分③取得の要件であり、
副主任や専門リーダーの役に就く人が
必ずしも所定の研修を終了している必要はありませんが、
当該年度内に終了してください、と書いていますが、
極めて難解な文章構成となっていますので注意が必要です。
さて、ここまで読んでいただいた皆様、
とても難解で、わかり難かったと思います。
読み進めていただき、ありがとうございます。
制度に関しては、私たちGCLIPでも
何度も読み返しては互いに疑問をぶつけあい、
打ち合って理解を深めている最中です。
それでも他者に説明しようとすると、
筆が進まないのがこの制度なのですが、
5月23日(金)15:00~オンラインにはなりますが、
セミナーにて皆様にお届けできる運びとなりました。
今回の改定で何がどう変わったのか?
それをできる限り詳しく解説するセミナーですので、
この度の改定とともに制度理解を深めたい方、
そして、制度を活用して組織を進化させたいとお考えの方、
是非ともご参加ください。
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